IPOスケジュール

上場までの手順(直前期)のスケジュール表
あなたの会社はいつ上場? 申請期の2期前=直前々期 申請期 01:名義書換代理人の設置 01:名義書換代理人業務の受託 02:株主総会の開催 02:株主総会開催への助言 03:市場の選定 04:証券会社の選定 04:証券会社の選定 05:証券印刷会社の選定 05:証券印刷会社の選定 06:上場コンサルティングの実施 07:Iの部等の作成 07:Iの部等の作成 08:事業計画・資本政策の見直し

 ■スケジュールで学ぶ How To IPO

直前前々期 → 直前々期 → 直前期 → 申請期

申請期の1期前=直前期
01 名義書換代理人(株主名簿管理人)の設置
名義書換代理人とは株主名簿の管理を代行してくれる信託銀行や証券代行の業者のこと。会社法では株主名簿管理人と称します(会社法123条)。非上場会社では株主名簿の管理(株式譲渡や分割、基準日の株主の確定等)は自社で行うのが通常です。しかし、上場に際しては証券取引所の形式要件で株主名簿管理人を選定しておくことが求められています。

株主名簿管理人は、株主名簿の管理に加えて、定時株主総会や臨時株主総会の準備・運営に関するコンサルティングも行います。株主名簿管理人の設置は定款変更が必要であり、かつ登記を行う必要があります。東京証券取引所が承認している株主名簿管理人(株式事務代行機関)は信託銀行および(株)だいこう証券ビジネス、東京証券代行(株)、日本証券代行(株)に限定されています(東京証券取引所「株券上場審査基準の取扱い」2(9)b)。
02 株主総会の開催
昨年以上に株主総会のコンプライアンスには気を配る必要があります。株主名簿管理人を選定していれば、信託銀行等の助言を得ることができます。
03 市場の選定
ベンチャー企業向けに証券取引所が設けた市場としては、東証マザーズ、大証ヘラクレスJASDAQ、名証セントレックス、札証アンビシャス、福証Qボードがあります。そのほか、証券取引所ではありませんが未公開株市場としてグリーンシートがあります。
04 証券会社の選定
上場に際しては主幹事証券会社を選定する必要があります。

主幹事証券会社は、監査法人を交えてのキック・オフ・ミーティングののち、上場コンサルティングを展開していきます。上場審査に耐えうるだけの会社になるべく様々な提案をするとともに、その提案が実行に移されていることを確認していきます。

さらに、上場時には他の証券会社とともに引受(公募や売出しの株式を引き受けること)を行うため、それに値するかどうかの審査(引受審査)をじっくりと行います。引受審査の結果、証券取引所への推薦を出すに値すると判断した会社のみ、上場申請に進むこととなります。

主幹事証券会社は上場基準充足に関する証券取引所への相談の窓口になるとともに、場合によっては証券取引所との折衝も行ってくれます。主幹事証券会社は上場申請時の事務手続・日程管理を行い、取引所の上場審査のサポートをするとともに、ロードショーやブック・ビルディング等の実施・アレンジ、他の引受証券会社からの質問への回答も行います。このように、上場において主幹事証券会社の果たす役割はとても大きいものがあります。

<関連質問>
Q:主幹事証券会社はどのように決めたらよいでしょうか?
05 証券印刷会社の選定
適格株券を印刷するには株券の印刷枚数や版の管理が厳重に行われる必要があることから、取引所が認めている証券印刷会社にしか依頼することができません。東証の場合、次の9社です。

・大日本印刷(株)
・凸版印刷(株)
・共同印刷(株)
・亜細亜証券印刷(株)
・瀬味証券印刷(株)
・昌栄印刷(株)
・図書印刷(株)
・サンメッセ(株)
・独立行政法人国立印刷局

東証では、上記以外の印刷会社を使う場合、事前の相談が必要としています。
06 上場コンサルティングの実施
主幹事証券会社のコンサルティング部門が上場に向けて改善提案を行っていきます。おもに、内部管理体制の構築に軸足を置いたコンサルティングとなります。改善提案事項の進捗状況を把握するため、月次の取締役会にオブザーバーとして出席したりするケースもあります。コンサルティングは場合によっては数事業年度にまたがることになります。株式公開準備の一つの山場といえます。
07 I の部等の作成
I の部等上場に必要な資料を徐々に作成していきます。といってもいままで作成したことがないような資料ばかりですので、IPOコンサルタントのアドバイスが必要となってきます。
08 事業計画・資本政策の見直し
主幹事証券会社の審査部による引受審査・証券取引所の上場審査を控えて、事業計画の見直しをはかります。また、第三者割当の上場前規制が緩和されたことから、直前まで資本政策を見直すことが可能となりました。

この時期になると、ベンチャーキャピタルからのアプローチが増えることとなります。「ベンチャーキャピタルの出資があった方が箔がつく」という大きな誤解をしてしまった経営者が、特に資金ニーズがないにもかかわらず、ベンチャーキャピタルからの出資を受け入れてしまうケースが散見されます。ベンチャーキャピタルの出資に意味があるのは、その出資により成長が加速するという点だけといっても過言ではありません。オーナー経営者は、成長の加速と引き換えにシェアを譲り渡すわけです。「箔がつく」どころか、IPO時の売り圧力になることから、ベンチャーキャピタルからの出資は慎重に判断すべきといえます。


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このコーナーでの説明でもわかるように、株式公開するには何期にもわたり内部・外部スタッフと連携した準備が必要です。
上場ドットコムではIPO直前事業年度などを入力するだけで「いつ」「誰と」「何をすればいいか」が一目で分かるスケジューラーをご用意しました。上記スケジュール表右上「あなたの会社はいつ上場?」または右下のボタンをクリックしてご利用下さい。
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専門家だからできるアドバイス
直前期はここがポイント
●証券会社によって得意とする市場が変わってきます。そこで、主幹事証券会社の選定に先立ち、まず、ねらう市場を決める必要があります。

●主幹事証券会社の役割は大きいだけに報酬も多額に発生します。証券会社への報酬は、まず、月々のコンサルティング報酬としても発生します。このコンサルティング報酬が安くありません(年間1千万円かかるケースもあります)。さらに、上場時に引受手数料がかかります。スプレッド方式の場合、引受手数料が利益を圧迫することはありませんが、手数料を取られていることには代わりはありません。引受手数料は成功報酬的要素がありますが、コンサルティング報酬は毎月発生します(さらにIPO時に成功報酬が別途発生するケースもあります)。直前期の利益は株価形成に大きな影響があることから、多額の報酬を支払える余裕がないのが通常です。そこで、どの時期にコンサルティング契約を締結するかは慎重に判断する必要があります。

●株主名簿管理人の設置は定款記載事項です。ということは定款変更が必要となるわけです。株主名簿管理人の設置のためだけに臨時株主総会を開催するのはコストがかかることから、定時株主総会前に手数料等の交渉を行い、定時株主総会で定款を変更するのがスマートといえます。また、株主名簿管理人の場合、上場後取引が活発化することで、名義書換に伴う手数料収入の増加が期待されることから、上場前の月々の報酬は低額であることがほとんどです。よって、主幹事証券会社と異なり、早期に選定しておいても費用対効果に欠けることはありません。

●証券印刷会社は、株券の印刷だけ行うのではありません。Iの部や目論見書、有価証券届出書、有価証券報告書等開示資料のチェックも行います。株券の印刷だけなら証券取引所が認めた印刷会社で十分ですが、開示資料のチェックについては高度のノウハウと他社事例の集積が必要となることから、事実上宝印刷(株)と亜細亜証券(株)の2社のうちどちらかに依頼するケースがほとんどです。

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