会計事務所経営戦略レポート

非競争のビジネスモデルで地域一番店になる方法!!

『非競争』のビジネスモデルをご理解していただくために・・・

 まずはじめに、『時流』についてお話します。

 現在は「大変革期」と言われており、約800年ごとに起こる文明の転換期(西洋と東洋の主権が入れ替わる)、70〜80年に一度の経済覇権国の入れ替わり(1940年に米国へ経済覇権が移動)、日本における80年に一度の意識改革の転換点(明治維新 → 第二次大戦 → 現在)と、2010年から2020年にかけて、歴史から観た全ての転換点が起こるタイミングの渦中にいます。

 近々で、過去に体験したことないような、2008年リーマンショック、2011年東日本大震災、ユーロ崩壊危機、米国のデフォルト問題、中国の急成長と分裂危機など、非常に不安定で、1990年以降の「失われた20年」と言われた2010年までの低成長時代とは、明らかに様相が変化していることは、ご実感いただけるのではないかと思います。

 このような中、現在の日本人における「意識の変化」と「企業の変化」におけるキーワードを記載してみます。

キーワード 大衆の行動変化 企業における変化
省エネ 高い省エネ意識 ローコスト経営の徹底
贅選(ぜいせん) 一般的なものはより安く、
ピンポイントで贅沢
絞込みと一番化
物が売れにくい時代
安心・安全 安心・安全への高い配慮
企業理念と品質への意識
従業員と一体化する
マネジメント3.0の時代へ
仲間・地縁 仲間や地縁の見直し 顧客と一体化する
マーケティング3.0の時代へ

 税理士事務所・会計事務所の主な顧客は『事業者』であることから、上記の『企業における変化』を知っておくことが重要になります。


○ローコスト経営

 日本経済はご存知のように、人口の微減と高齢化による生産人口比率の減少により、長期スパンで一般消費が伸びていくことは考えられません。さらに今回の震災などを契機に、日本の根幹の産業である「製造業」の海外移転が急速に加速しています。そのため、国内の企業は大きな流れで「縮小均衡」サイクルに入っています。結果としてあらゆる企業が無駄なものを排除する「ローコスト経営」をより一層推進しなければならなくなっています。

 この影響は、『これまでの取引先の見直し』と『取引価格の毎年の見直し』に大きく現れます。安定した取引先が急になくなることも常態化しています。しかし、逆に捉えると『相手企業の役に立つ提案は取引の有無に関わらず有効』な時代が来たともいえます。そのため企業の新規開拓には絶好の時代といえます。そのため全企業がローコスト経営に向かっている中、相手企業の『売上・利益』に貢献できる事務所は大きく飛躍できるチャンスと言えるでしょう。


○絞込みと一番化

 現在の日本は決して一般大衆が貧乏というわけではりあません。それなりの貯蓄を持ち、富裕層と一般層の格差が先進国中でも最も少ない国の一つであり、お金がないわけではありません。しかし、これだけ不安な世の中になるとどうしても「財布のひも」は固く閉じられます。だからといって贅沢をしたくないというわけではありません。自分が気に入ったものには、お金を徹底的にかけ、そうでないものは、デフレの中、より安く買うと言う行動に変わっただけなのです。

 これは、企業にも大きな影響を及ぼしています。つまり、『なんの特徴もない一般的(平均的)企業は価格競争をもろに受け、その企業独自の長所を持つ一番企業は、確実に評価される時代』になりました。言い換えると『コスト競争力のある会社か力相応で一番を持つ企業』に顧客が集まるようになっています。


○マネジメント3.0

 一般の人々は、放射能問題などから、商品に対して『安心・安全』を求めるという傾向が強くなっています。企業に従事する人も当然、その企業に対して、より『安心・安全』を求めるようになります。従業員のいう『安心・安全』とは、企業が倒れることなく給不を払ってもらえるだけでなく、その企業が提供する商品・サービスが世の中の役に立つものを求めてはじめています。

 そのため、企業の経営の仕方、マネジメント手法にも大きな変化が現れています。その考え方をマネジメント3.0と呼んでいます。

マネジメント1.0 トップダウン型マネジメントモデル
高度成長期のモデルで、従業員は会社の歯車的要素が強い=決められたことを忠実に実行
マネジメント2.0 ボトムアップ型マネジメントモデル
変化時代のモデルで、従業員の意見を経営に取入れるモデル
マネジメント3.0 自律一体型マネジメントモデル

 このマネジメント3.0とは、激変期のマネジメントモデルです。変化の激しい現場では、決められたことを実行するだけでは、とても変化に追いつけません。かといって、マネジメント2.0のように、いちいち自分の考えを上に話し、その判断を仰ぐにも時間がかかりすぎます。

 そこで現場の従業員自らが考え、その場その場で一人ひとりが適切な判断を下し、行動するマネジメントモデルが必要とされています。そのためには、従業員が自分を律することのできる高いモデルが必要とされるだけでなく、意思決定の核となる『企業の考え方やビジョン』をしっかり理解した一体化が求められます。そして、この企業の考え方やビジョンには、その企業の将来性も感じる(安心とワクワク感)夢と一人よがりでなく、世の中への貢献(安全)というものもしっかり入っていなければなりません。


○マーケティング3.0

 不況、天変地異など、多くの人が不安を抱える時代です。そんな中、今、地域や仲間などが再度見直されています(困ったときは遠くの親戚よりも近くの他人)。このために企業のマーケティング手法も大きな変化が出ています。

マーケティング1.0 売らんかなのプッシュ型営業モデル
マーケティング2.0 顧客から手をあげてもらうプル型営業モデル
近年、急速に広がったマーケティング手法であり、顧客側からその商品に興味がある! と言わせるマーケティング手法
マーケティング3.0 顧客と会社が一体化するコミュニティ型
ファン型営業モデル

 マーケティング1.0の時代は昔に終わっていますが、現在の2.0に加え、急速にマーケティング3.0が重要視され始めています。この3.0とは、顧客と会社が一体化し、顧客がその企業の考え方を含めた商品・サービスを好きになってくれ、自らがその組織の一員のように、顧客を拡大してくれるモデルです。これは、対事業者向けでも同じであり、企業の考え方を深く理解してもらいながら、その企業の方針と一体化していき、一つの共同体のように動いていくモデルが重要です。


興味をもたれた方は 0120−950−270


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