会計事務所経営戦略レポート

非競争のビジネスモデルで地域一番店になる方法!!

ある会計事務所の挑戦と苦悩・・・

 独立して12年、税理士である所長と事務のパートさんの二人で始めた事務所も、従業員12名、売上も1億までもう少しというところまで成長しました。独立当初は、高校・大学の同級生に声をかけ、銀行や保険会社などに足しげく通い、異業種交流会と名のつくものには端から顔を出し、お客さんを増やしてきました。顧問契約をしてくれたお客さんには、できる限りのことを行って紹介もいただけるようになりました。

 お客さんが増えるごとに社員を採用し、その社員の待遇を良くするためには、「とにかくお客さんを増やすこと」が一番重要だと思って営業ばかりしていたら、「先生は現場のことが分かっていない!」と、半分以上の社員に退職されました。あまりのショックに「事務所を手放そうか・・・」とも考えましたが、今のお客さんを守るためにも、もうひと踏張りと気持ちを入替え、新たな社員を採用して、それまでのやり方を一新しました。

 所長が営業でお客さんを開拓するのではなく、WEBを活用して『プル型の営業スタイル』に変更しました。社員が自分で受注することで、『お客様が増える喜び』を感じてもらい、『自分が頑張れば報われる仕組』を導入して、第二の創業と思って3年前に再スタートしました。

 そのときに取組んだのが、『会社設立マーケット』でした。その当時は『電子定款認証』を活用して印紙代を節約する提案を行い、リスティング広告も月5万円もかければ、一ヶ月で『問合せ15件、面談10件、受注5件』は安定的に成果を出すことができました。半年くらい経って、ちょっと競合が出てきたので、『設立手数料実質0円』を打出すことで『価格優位性』を有することで成果を維持することができました。

 さらに競合が厳しくなってきたので、広告費もアップ(月10万円)し、WEBでは『手数料を下げ、一年分の顧問料(24万円)をセット』にした提案を行い、年間50〜60件の新規を獲得していました。

 第二創業期として新たなビジネスモデルに取組み、そこからの新規受注も150社を超えました。社員も成長してくれている・・・と信じていました。

 しかし・・・顧問先も売上も人材育成も順調だと思っていた2011年の夏、急激な変化が訪れます。

 WEBからの問合せが一気に激減しました。今までも新たな競合が出るたびに同じようなことが起こっていたので、広告費をさらにアップ(月20万円)しましたが、電話は一向になりません。たまに問合せがあって、なんとか面談にこぎつけても、『一度帰って検討します』の言葉の後はなしのつぶて・・・。回遊客が戻ってくることはほとんどなくなりました。気づけば、『月間の問合せは5件を下回り、面談も数件、受注なし』が何ヶ月か続いています。

 この3年間で獲得した新規客をよくよく分析してみると、廃業が30%、一年間の低価格サービス期間を終了して契約を更新できなかったのが30%、残りの40%のうち、二年目以降で正規の顧問料に値上げができたのはそのうちの半分という状況です。悪いことは重なるもので、退職を申し出る社員がちらほら・・・。

 『なぜ、こんなことになってしまったのだろう・・・』ある会計事務所のトップの苦悩は続いています・・・。


興味をもたれた方は 0120−950−270


メニューへ 1 2 3 4 5 6 7 次へ