92)会社に何が出来ているかを問う…。『1人当り経常利益』
ジョン・F・ケネディが「国があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を為すことができるかを問うて欲しい」という演説を行ったのはあまりに有名ですね。この演説を数値化(定量化)するとしたら、今回紹介する『1人当り経常利益』になります。
計算式は「経常利益÷社員数」になります。「経常利益」と「社員数」の考えかたについてはこれまでのコラムを参照して下さい。
この「1人当り経常利益」という指標が何を表すか?ですが、単純に表現すれば「1人の社員が会社に対して支払っている給与」といえます。当然ですが、経営者と家で私達は1人で仕事をしているわけではありません。社員同士やお客様、取引先等々、様々な人との繋がりで仕事が実現しています。その一つに『会社』という『器』があります。
会社という『器』が、ブランドや信用、設備や人の繋がり等を担保してくれているおかげで私達は活動が出来ているのです。この『器』を維持、継続し、未来に繋げていく為にはコストが掛ります。それを一人ひとりがどの程度賄っているのか?を確認するのが「1人当り経常利益」です。
適正な「1人当り経常利益」に答えはありませんが、社員一人ひとりがどの程度会社に給与を支払っているかと言う視点で捉え、それで充分かどうかについて議論をしてみる機会を設けてみるのも悪くは無いかもしれません。会社から給与をもらっているのではなく、会社に給与を払っているというパラダイム転換こそ、冒頭のケネディの言葉を考える上で重要なテーマになってきます。