HOME コラム一覧 第21回 思い切った設備投資を最大1億円補助!事業再構築補助金が公募開始!

第21回 思い切った設備投資を最大1億円補助!事業再構築補助金が公募開始!

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3月26日(金)、中小企業庁の超目玉補助金「事業再構築補助金」の公募が始まりました!ただし申請受付自体は4/15(木)開始予定です。(締切は4月30日(金)18:00)
そこで今回は事業再構築補助金のポイントを紹介します!
主要な申請要件として、「(1)申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している」、第二に「(2)事業再構築指針に沿った新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編を行う」、第三に「(3)事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関も参加して策定する」が挙げられます。尚、事業計画は「補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成」が見込めるように策定しなければなりません。
上記3つの要件は最初にきちんと押さえなければなりません。(1)はエビデンス(月ごとの売上が分かる資料)さえあれば特に難しくはありません。(3)については、全国に3万くらいの認定支援機関がありますが、普段からお付き合いがないとすぐに見つけるのは少し難しいかもしれません。
そして最も難しいのが(2)になります。「事業再構築指針の手引き」で自社の事業計画がどの類型として要件を満たすのかをしっかり見極めることが重要です。特に製品及びその製品の市場両方に「新規性(「革新性がある」、「競合他社が少ない」等)」を求められているため、かなり練り込んだ計画が必要です。
対象経費は建物費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等となります。
基本的に「設備投資」を求められています。また、一般的な補助金同様に汎用的に使えるパソコン・タブレット、ナンバー付き車両、複合機等は対象外となります。
補助金額・補助率は中小企業か中堅企業(中小企業以外で資本金10億円未満、資本金額が定められていない場合は従業員数(常勤)2,000人以下の法人)かに応じて変わります。
中小企業の場合、通常枠は補助金額100万円以上6,000万円以下、補助率2/3となります。また、卒業枠(400社限定)は3年~5年の事業計画期間内に中堅・大企業へ成長する見込みの中小企業を支援する特別枠であり、補助金額6,000万円超~1億円以下、補助率2/3となります。
中堅企業の場合、通常枠は補助金額100万円以上8,000万円以下、補助率1/2(4,000万円超は1/3)となります。また、グローバルV字回復枠(100社限定)は大きく下がった売上のV字回復を目指す中堅企業を対象としており、事業計画期間内に付加価値額また従業員一人当たり付加価値額を5%以上増加させる必要があります。補助金額8,000万円超~1億円以下、補助率1/2となります。
また、上記以外にも緊急事態宣言特別枠があります。「緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している」中小企業・中堅企業を支援します。
補助金額は従業員数で変化し、従業員数5人以下:100万円~500万円、6~20人:100万円~1,000万円、21人以上:100万円~1,500万円となります。補助率は中小企業3/4、中堅企業2/3となります。尚、この緊急事態宣言特別枠で申請して不採択となった場合、通常枠で加点した上で再審査されます。
事業再構築補助金の申請は電子申請のみであり、「GビズIDプライム」アカウントが必須です。尚、発行が間に合わない事業者向けに今回は暫定IDでも対応しています。
電子申請時の添付書類(通常枠の場合)は「事業計画書(最大15ページ、様式自由)」、「認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書」、「コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類」、「決算書(直近2期の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)」、「ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報」となります。
事業計画書が様式自由且つ15枚では、再構築の要件全てを盛り込むには足りないかもしれません。コンパクトにまとめる必要がありそうです。また、ミラサポplus「活動レポート」を出すのも公募要領で初めて出てきました。申請者の財務状況の分析を共通のモノサシで測ろうということでしょう。
ものづくり補助金の申請情報入力でご存じの方も多いかと思いますが、実際の入力はかなり時間がかかります。書類のボリュームから考え、もの補助の倍以上時間がかかることを想定しておきましょう。
審査項目は、(1)補助対象事業としての適格性、(2)事業化点、(3)再構築点、(4)政策点、(5)加点項目(主に特別枠を考慮)となります。審査項目は大きく5項目設定されていますが、(2)再構築点は特に重要です。公募要領を見ると「事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。」とあり、かなり強いメッセージがここに表現されています。
事業再構築補助金は史上最大級の大型補助金と言われるだけあって、ハードルは結構高そうです。しかし、本気で自社事業の再構築をお考えであればチャレンジする価値は大いにあるでしょう。まずは事業計画の策定から始めてみましょう!

事業再構築補助金
概要 コロナ禍の影響により売上が減少した中小企業や小規模事業者等に対して、新分野進出や業態転換等の取組を支援。
概要 申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年及び2020年1~3月の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している。
補助額 中小企業
通常枠(補助額100万円~6,000万円、補助率2/3)
卒業枠(補助額 6,000万円超~1億円、補助率2/3)

中堅企業
通常枠(補助額100万円~8,000万円、補助率1/2(4,000万円超は1/3))
グローバルV字回復枠(補助額 8,000万円超~1億円、補助率1/2)
対象経費 設備投資費用、建物の建設費・改修費・撤去費、
システム購入費、研修費、広告宣伝費・販売促進費 等

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
個人事業主様から大手企業様まで、業種・規模を問わず幅広い層のお客様にご活用いただいている人気サイトです!

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3月26日(金)、中小企業庁の超目玉補助金「事業再構築補助金」の公募が始まりました!ただし申請受付自体は4/15(木)開始予定です。(締切は4月30日(金)18:00) そこで今回は事業再構築補助金のポイントを紹介します!主要な申請要件として、「(1)申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している」、第二に「(2)事業再構築指針に沿った新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編を行う」、第三に「(3)事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関も参加して策定する」が挙げられます。尚、事業計画は「補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成」が見込めるように策定しなければなりません。上記3つの要件は最初にきちんと押さえなければなりません。(1)はエビデンス(月ごとの売上が分かる資料)さえあれば特に難しくはありません。(3)については、全国に3万くらいの認定支援機関がありますが、普段からお付き合いがないとすぐに見つけるのは少し難しいかもしれません。そして最も難しいのが(2)になります。「事業再構築指針の手引き」で自社の事業計画がどの類型として要件を満たすのかをしっかり見極めることが重要です。特に製品及びその製品の市場両方に「新規性(「革新性がある」、「競合他社が少ない」等)」を求められているため、かなり練り込んだ計画が必要です。対象経費は建物費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等となります。基本的に「設備投資」を求められています。また、一般的な補助金同様に汎用的に使えるパソコン・タブレット、ナンバー付き車両、複合機等は対象外となります。補助金額・補助率は中小企業か中堅企業(中小企業以外で資本金10億円未満、資本金額が定められていない場合は従業員数(常勤)2,000人以下の法人)かに応じて変わります。中小企業の場合、通常枠は補助金額100万円以上6,000万円以下、補助率2/3となります。また、卒業枠(400社限定)は3年~5年の事業計画期間内に中堅・大企業へ成長する見込みの中小企業を支援する特別枠であり、補助金額6,000万円超~1億円以下、補助率2/3となります。中堅企業の場合、通常枠は補助金額100万円以上8,000万円以下、補助率1/2(4,000万円超は1/3)となります。また、グローバルV字回復枠(100社限定)は大きく下がった売上のV字回復を目指す中堅企業を対象としており、事業計画期間内に付加価値額また従業員一人当たり付加価値額を5%以上増加させる必要があります。補助金額8,000万円超~1億円以下、補助率1/2となります。また、上記以外にも緊急事態宣言特別枠があります。「緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している」中小企業・中堅企業を支援します。補助金額は従業員数で変化し、従業員数5人以下:100万円~500万円、6~20人:100万円~1,000万円、21人以上:100万円~1,500万円となります。補助率は中小企業3/4、中堅企業2/3となります。尚、この緊急事態宣言特別枠で申請して不採択となった場合、通常枠で加点した上で再審査されます。事業再構築補助金の申請は電子申請のみであり、「GビズIDプライム」アカウントが必須です。尚、発行が間に合わない事業者向けに今回は暫定IDでも対応しています。電子申請時の添付書類(通常枠の場合)は「事業計画書(最大15ページ、様式自由)」、「認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書」、「コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類」、「決算書(直近2期の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)」、「ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報」となります。事業計画書が様式自由且つ15枚では、再構築の要件全てを盛り込むには足りないかもしれません。コンパクトにまとめる必要がありそうです。また、ミラサポplus「活動レポート」を出すのも公募要領で初めて出てきました。申請者の財務状況の分析を共通のモノサシで測ろうということでしょう。ものづくり補助金の申請情報入力でご存じの方も多いかと思いますが、実際の入力はかなり時間がかかります。書類のボリュームから考え、もの補助の倍以上時間がかかることを想定しておきましょう。審査項目は、(1)補助対象事業としての適格性、(2)事業化点、(3)再構築点、(4)政策点、(5)加点項目(主に特別枠を考慮)となります。審査項目は大きく5項目設定されていますが、(2)再構築点は特に重要です。公募要領を見ると「事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。」とあり、かなり強いメッセージがここに表現されています。事業再構築補助金は史上最大級の大型補助金と言われるだけあって、ハードルは結構高そうです。しかし、本気で自社事業の再構築をお考えであればチャレンジする価値は大いにあるでしょう。まずは事業計画の策定から始めてみましょう!
2021.04.06 16:46:57