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第20回 「低感染リスク型ビジネス枠」を新設!2021年度版のIT導入補助金 の最新情報!

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2021年4月上旬より2021年度版のIT導入補助金の交付申請受付が開始する予定です。複数回の締切を設け、実質的に通年公募となります。IT導入補助金は生産性向上・業務効率化に資するITツール(IT導入支援事業者が登録したITツールのみ対象)の導入を支援する最も人気が高い補助金です。今回はIT導入補助金の最新情報について解説します。
2021年度版のIT導入補助金では従来のA類型(上限150万円、補助率1/2)・B類型(上限450万円、補助率1/2)に加えて、C類型(上限450万円、補助率2/3)、D類型(上限150万円、補助率2/3) が追加されました。C類型・D類型について
まず「通常枠」のA類型・B類型について説明します。
A類型・B類型は前年度と大きく変化はありません。導入するITツールが持つ業務プロセス(ソフトウェアが発揮する機能により生産性が向上するプロセス)の数に応じて、A類型(1プロセス以上、補助額30万~150万円未満)かB類型(4プロセス以上、補助額150万~450万円以下) に分かれます。IT導入補助金2021(12P参照)
A累計では賃上げ要件(3年の事業計画期間内に給与支給総額を年率平均1.5%以上増加、及び事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする)IT導入補助金2021(20P参照) が審査の際の加点となりますが、B類型では達成が必須となります。達成できなかった場合、補助額の返還を求められるケースがあります。
次に新設のC類型・D類型について詳しく見ていきます。
C・D類型は「低感染リスク型ビジネス枠」という特別枠であり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業がポストコロナを見据えた非対面型ビジネスやテレワーク導入を支援するものです。また、業務プロセスの数はどちらも2プロセス以上です。IT導入補助金2021特別枠(2P参照)
主な取組事例としては店頭販売だった小売店がECサイトを立ち上げたり、コンサルタント会社がオンライン通話による対話システムを導入したりする等が考えられます。通常枠(A類型・B類型)と同じく、ソフトウェアパッケージ、1年分のクラウド利用料、初期設定費・カスタマイズ費が対象経費となりますが、それに加えてパソコンやタブレット、スマートフォンと言ったハードウェアのレンタル費用(1年分)も対象となります。またハードウェアに付随して、WEBカメラ、マイク、ルーター、プリンター、ディスプレイのレンタルも対象になります。尚、ハードウェアのレンタル費用のみで申請することはできず、通信料は補助対象外となります。IT導入補助金2021特別枠(14~15P参照)
C類型(低感染リスク型ビジネス類型)は複数の業務システムを連携させ、非対面化・生産性向上を図るITツールの導入を支援します。たとえば「遠隔注文システム、キャッシュレス決済システム、会計管理システムを同時に導入することで、従業員と顧客の非対面化を図る」という事例が想定されます。
申請する補助額によってC-1類型(補助額30万~300万円未満)とC-2類型(補助額300万~450万円以下)に分かれますC-1類型では賃上げ要件は審査の際の加点となり、C-2類型では達成必須となります。IT導入補助金2021特別枠(P2参照)
D類型(テレワーク対応類型、補助額30万~150万円以下)は業務の非対面化及びクラウド対応することで、遠隔地での業務・生産性向上を可能にするITツールの導入を支援します。たとえば「全国各地の従業員が同じファイルを見ることができるようクラウドサーバを立ち上げる」等の事例が想定されます。尚、D類型では賃上げ要件は加点となります。
IT導入補助金の申請はすべてオンラインで行うため、事前にgBizIDプライムを取得しておくことが必要です。尚、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けていた場合、審査の減点対象 となります。また加点項目としては、賃上げ要件(A類型、C-2類型、D類型以外に、「地域経済索引事業計画の承認」「クラウド製品またはインボイス制度対応製品を導入すること」等があります。IT導入補助金2021特別枠(24P参照)
申請を検討している方は公募要項をしっかり読み込み、なるべく加点項目を押さえて申請に臨みましょう!

IT導入補助金

累計

補助額

補助率

必要業務プロセス数

対象経費

通常枠

A類型

30万~150万円未満

1/2

1

ソフトウェアパッケージ、1年分のクラウド利用料、初期設定費・カスタマイズ費

B類型

150万~450万円以下

4

低感染リスク型ビジネス枠

C-1類型

30万~300万円未満

2/3

2

ソフトウェアパッケージ、1年分のクラウド利用料、初期設定費・カスタマイズ費、ハードウェアレンタル費

C-2類型

300万~450万円以下

D類型

30万~150万円以下

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
個人事業主様から大手企業様まで、業種・規模を問わず幅広い層のお客様にご活用いただいている人気サイトです!

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2021年4月上旬より2021年度版のIT導入補助金の交付申請受付が開始する予定です。複数回の締切を設け、実質的に通年公募となります。IT導入補助金は生産性向上・業務効率化に資するITツール(IT導入支援事業者が登録したITツールのみ対象)の導入を支援する最も人気が高い補助金です。今回はIT導入補助金の最新情報について解説します。2021年度版のIT導入補助金では従来のA類型(上限150万円、補助率1/2)・B類型(上限450万円、補助率1/2)に加えて、C類型(上限450万円、補助率2/3)、D類型(上限150万円、補助率2/3) が追加されました。C類型・D類型についてまず「通常枠」のA類型・B類型について説明します。A類型・B類型は前年度と大きく変化はありません。導入するITツールが持つ業務プロセス(ソフトウェアが発揮する機能により生産性が向上するプロセス)の数に応じて、A類型(1プロセス以上、補助額30万~150万円未満)かB類型(4プロセス以上、補助額150万~450万円以下) に分かれます。IT導入補助金2021(12P参照)A累計では賃上げ要件(3年の事業計画期間内に給与支給総額を年率平均1.5%以上増加、及び事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする)IT導入補助金2021(20P参照) が審査の際の加点となりますが、B類型では達成が必須となります。達成できなかった場合、補助額の返還を求められるケースがあります。次に新設のC類型・D類型について詳しく見ていきます。C・D類型は「低感染リスク型ビジネス枠」という特別枠であり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業がポストコロナを見据えた非対面型ビジネスやテレワーク導入を支援するものです。また、業務プロセスの数はどちらも2プロセス以上です。IT導入補助金2021特別枠(2P参照) 主な取組事例としては店頭販売だった小売店がECサイトを立ち上げたり、コンサルタント会社がオンライン通話による対話システムを導入したりする等が考えられます。通常枠(A類型・B類型)と同じく、ソフトウェアパッケージ、1年分のクラウド利用料、初期設定費・カスタマイズ費が対象経費となりますが、それに加えてパソコンやタブレット、スマートフォンと言ったハードウェアのレンタル費用(1年分)も対象となります。またハードウェアに付随して、WEBカメラ、マイク、ルーター、プリンター、ディスプレイのレンタルも対象になります。尚、ハードウェアのレンタル費用のみで申請することはできず、通信料は補助対象外となります。IT導入補助金2021特別枠(14~15P参照)C類型(低感染リスク型ビジネス類型)は複数の業務システムを連携させ、非対面化・生産性向上を図るITツールの導入を支援します。たとえば「遠隔注文システム、キャッシュレス決済システム、会計管理システムを同時に導入することで、従業員と顧客の非対面化を図る」という事例が想定されます。申請する補助額によってC-1類型(補助額30万~300万円未満)とC-2類型(補助額300万~450万円以下)に分かれますC-1類型では賃上げ要件は審査の際の加点となり、C-2類型では達成必須となります。IT導入補助金2021特別枠(P2参照)D類型(テレワーク対応類型、補助額30万~150万円以下)は業務の非対面化及びクラウド対応することで、遠隔地での業務・生産性向上を可能にするITツールの導入を支援します。たとえば「全国各地の従業員が同じファイルを見ることができるようクラウドサーバを立ち上げる」等の事例が想定されます。尚、D類型では賃上げ要件は加点となります。IT導入補助金の申請はすべてオンラインで行うため、事前にgBizIDプライムを取得しておくことが必要です。尚、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けていた場合、審査の減点対象 となります。また加点項目としては、賃上げ要件(A類型、C-2類型、D類型以外に、「地域経済索引事業計画の承認」「クラウド製品またはインボイス制度対応製品を導入すること」等があります。IT導入補助金2021特別枠(24P参照)申請を検討している方は公募要項をしっかり読み込み、なるべく加点項目を押さえて申請に臨みましょう!
2021.03.22 16:23:48