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第1回 補助金と助成金の違いをご存知ですか?

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 株式会社ナビットは、官公庁、全国の自治体だけでなく、財団法人や協会などのさまざまな機関で公募されている補助金・助成金を細かい条件で検索できる、日本唯一のウェブサイト「助成金なう」を運営しています。
 本シリーズでは、補助金・助成金をよく知るナビットがおすすめの補助金・助成金のご紹介していきます。
 第1回では補助金・助成金の基礎的な知識についてご紹介します。

(1)補助金・助成金の違いをご存知ですか?

 みなさんは補助金と助成金の違いをご存知でしょうか?
 補助金は「革新的サービスの支援」や「ITツールの導入」など企業の事業拡大や設備投資を支援するものが多いです。主に中小企業庁にて公募されており、支給額が数百万や数千万規模のものが多数あります。しかし申請すれば必ずしも採択されるわけではありません。たとえば、中小企業庁で最も人気がある「ものづくり補助金」は例年採択率が4割~5割程度です。また、公募期間は1か月~2か月と限られているものが多いです。
 一方、助成金は補助金よりもらえる金額が少ないですが、適切に申請さえすれば、ほぼ100%もらえます。厚生労働省が管轄のため、「バイトの正社員転換」や「テレワークの導入」など雇用を支援するものや職場環境の改善を支援するものが多いです。基本的に申請は随時行えますが、その年度分の予算が尽き次第打ち切りとなるため、なる早での申請をおすすめします。
 また、補助金・助成金の申請サポートをする方の職業も違います。補助金は事業計画書などの作成指導が必要であるため、税理士や中小企業診断士が担当します。一方、助成金は労働関係の書類を準備する必要があるため、社会保険労務士が申請代行を行います。
 このように補助金・助成金にも、実はさまざまな違いがあるのです。

  補助金 助成金
管轄 主に中小企業庁 主に厚生労働省
金額 数百万~数千万 数万~数十万
倍率 採択されない場合がある 申請すれば基本的に100%採択される
種類 事業拡大や設備投資に関するものが多い  雇用促進や職場改善に関するものが多い
募集期間 期間が限られている  基本的に一年中申請できる
申請サポート  税理士、中小企業診断士  社会保険労務士

(2)助成金・補助金はさまざまな地域で公募されています。

 助成金・補助金は国だけでなく、都道府県や市区町村といった地方自治体からも公募されています。
 国が公募するものは「男性社員でも育休が取りやすい職場にしたい。」「自社製品を販路拡大したい。」など、全国どの企業にも共通している問題を解決する為のものが多いです。
 一方、地方自治体が公募するものはその土地柄を色濃く反映したユニークなものが多いです。たとえば、綺麗な星空を売りにしている鳥取県では星空の魅力発信事業に対して補助金を出しており、丹波くりが特産物である京都府福知山市では栗の新植や栗園の有害鳥獣対策に対して補助金を出しています。高齢者が多い自治体でははり・きゅう・マッサージ施術料を助成しているところもあります。
 また、国や自治体からの助成金・補助金以外にも、協会や財団で公募されるものもあります。財団・社団の助成金・補助金の多くは、研究支援・教育援助など公益性が高いものが大半を占めています。
 このように補助金・補助金はさまざまな地域で公募され、さまざまな種類・用途があるのです。

(3)助成金・補助金申請の流れ

事業者が補助金・助成金を申請し、採択され、入金されるまでの流れは以下の図表のようになります。

No. 流れ 内容
申請 事業内容や必要経費についてまとめた申請書を所轄の事務所に提出します。
審査 事業者から提出された申請書をもとにして、事務局が補助金・助成金の交付を受けるのに適切かどうか審査します。
採択 申請した全事業者に採択か不採択かの結果が通知されます。
交付 採択後、必要な経費などを事務局に申請します。
事務局に受理されると、交付決定通知書が送付されます。
実施 申請内容に沿って事業を実施します。
報告 事業の実績について報告書を作成し、事務局に提出します。
検査 申請内容に沿って事業が実施され、経費が適正に支出されたか事務局がチェックします。
確定 事業が適正に実施されたと認められると、補助金・助成金の支給金額が決まります。
請求 確定した支給額を事務局あてに請求します。
10 入金 事業者の指定口座に請求金額が入金されます。

以下、各過程について詳しく説明します。

1.申請
事業者は申請する際、事業の内容や必要経費についてまとめた申請書という形で所轄の事務局に提出します。補助金の場合、その補助金を担当している部署が提出先となることが多いです。また助成金の場合、各地域の労働局が提出先となります。
2.審査
事業者から提出された申請書をもとにして、助成金・補助金の交付を受けるのに適切かどうか事務局で審査されます。
補助金の場合、税理士や中小企業診断士といった士業の有識者が審査員となって、面接や書類精査など厳格な審査を行うため、採択されない可能性があります。一方、助成金の場合、書類上に不備がないか、条件に合致しているかなどの形式的な審査のみであり、それをクリアさえすれば、ほぼ100%採択されます。
3.採択
事務局が助成金・補助金の交付を受ける事業者を選定し、申請された全事業者に採択か不採択かの結果を通知します。
4.交付
採択された事業者が必要な経費などを申請します。それが事務局に受理されると、支給対象となる事業内容や費目、そして金額(概算)が決まり、交付決定通知書が送られます。なお、この交付決定通知書が届く前に事業をスタートすると、補助金・助成金が支給されない恐れがあります。
5.実施
申請した内容に沿って事業を実施します。当初の計画に沿って、正しく進めましょう。ただし、補助金も助成金も原則後払いなので、その事業を実施するための費用は自分で調達しなければなりません。また実施中にも、きちんと事業を進めているか検査が入ることがあります。
6.報告
対象事業の実績について、どんなことをしたか、どんな効果があったかを記載した報告書を作成して提出します。補助金・助成金の対象となる経費について、支払い実績のわかる領収書や契約書などのエビデンス(証拠)の用意も必要です。
7.検査
事務局が申請通りに事業が実施されて経費が適正に支出されたかをチェックします。必要に応じて現地調査やヒアリングが行われる場合もあります。
8.確定
対象事業が適正に行われたと認められると、補助金・助成金の支給金額が決まります。ただし、実際に事業実施にかかった費用が当初の予定より低かった場合、交付決定額が減額されることがあります。また逆に、実際の費用が交付決定額より高かったとしても、原則交付決定額以上の金額は支払われません。
9.請求
事業者が確定した金額を事務局あてに請求します。もうやることはないと思って請求するのを忘れてしまうということはないようにしましょう。せっかく事業を実施しても、請求をしなければ、当然支給はされません。
10.入金
事業者の指定口座に事務局が請求された金額を入金します。補助金・助成金にしろ、実際に入金されるのは、申請してから1年以上かかるのが一般的です。場合によっては入金されない可能性もあるので、補助金・助成金での収入を見込んで資金繰りするのは避けましょう。

補助金・助成金も、申請から入金されるまで長期間を要し、各過程でさまざまな対応をする必要があります。不明な点があったら、その補助金・助成金の担当者か、中小企業診断士や社会保険労務士などの専門家にアドバイスしてもらいましょう。

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
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2019.12.20 10:44:55