第12回 土地・オフィスの賃料を最大600万円補助!家賃支援給付金とは?
2020年7月14日(火)、経済産業省より家賃支援給付金の公募開始が発表されました。新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した中小企業や個人事業主等を対象として、土地・店舗・オフィス等の賃料を最大600万円まで補助します。
今回はこの家賃支援給付金について解説します!(※)
申請方法は持続化給付金と同じくオンライン申請となります。尚、オンライン申請が苦手な方のために申請サポート会場も随時追加するとのことです。申請期間は2020年7月14日~2021年1月15日となります。
対象となるのは中小企業、小規模事業者、フリーランス、医療法人、NPO法人等です。尚、法人については、資本金または出資総額が10億円未満であることが必要です(資本金・出資総額が定められていない場合は常時使用する従業員数2000人以下)。2019年12月31日以前から収入があり、事業を継続する予定があることも条件です。
売上減少の基準は、(1) 1か月の売上が前年同月比50%以上減少、(2)連続する3か月の売上が前年同期比30%以上減少のいずれかとなり、対象期間は2020年5月~12月です。
対象経費は「他人の土地・建物について、2020年3月31日時点で有効な賃貸借契約をしており、且つ申請日から直近3カ月間の支払い実績がある地代・賃料」です。賃借ではなく売買契約であった場合はもちろん対象外です。
共益費・管理費については賃料と同じ契約書に規定されていれば対象となります。電気代・水道代、減価償却費等の経費は原則対象外ですが、賃料として一括されていれば対象となる可能性があります。また、「親会社の建物を借りている」、「土地の貸主が社長」、「配偶者または親兄弟が貸主」と言ったケースは貸主と借主が実質同一であるとして対象外となります。第三者に又貸ししている場合もその部分にかかる賃料が対象外となります。
給付額は1か月当たり上限額100万円となります。給付期間は6か月であり、最大600万円が給付されることになります。
ただし、補助率は賃料によって変わります。賃料75万円以下の部分は補助率2/3、75万を超える部分は補助率1/3となります。たとえば事務所の家賃を120万円とすると、給付額は75万円×2/3+(120万円-75万円)×1/3=65万円となります。家賃225万円で給付額がちょうど100万円となります。
尚、自治体で公募している家賃補助も受けていた場合、家賃支援給付金の給付予定額とその家賃補助(6か月分)の合計から、賃料6か月分を差し引いた超過分が減額されます。
給付額の算定基礎となる賃料は、申請日直前1か月以内に支払った賃料です。9月10日に申請した場合、8月11日から9月10日までに支払った賃料が対象となります。ただし、契約上複数月分をまとめて払っている場合は1か月平均の金額となります。2020年4月1日以降に賃料が変更した場合は、2020年3月31日時点での賃料と比較して低い方を選択します。月ごとに賃料が変動する場合は、直前に支払った家賃と3月に支払った賃料を比較して低い方を選択します。
申請する際は「売上が減少した月・期間、及び前年同月・同期間の売上」、「振込先の口座情報」の他にも、「確定申告書」、「売上台帳」、「賃貸借契約書」、「銀行取引明細書」等実際の売上や賃料を支払った実績がわかる書類を提出する必要があります。
給付される時期ですが、売上台帳や契約書等の提出書類が多いため、申請してから2週間程度で給付される「持続化給付金」より給付が遅くなることが想定されます。尚、申請者に給付金を振り込む旨の通知が貸主・管理業者に対しても行われます。
家賃支援給付金の予算は2兆242億円に上り、非常に多くの事業者へ家賃補助がされる予定です。家賃の支払いが負担になっている方は是非申請しましょう。ただし、新型コロナと関係ない原因での売上減少であることが判明した場合、不正受給と見做される場合があります。
※:法人と個人事業者の要件は給付額等多少の違いがあります。本記事では法人を対象として解説しております。
家賃支援給付金 |
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申請方法 |
オンライン申請 |
申請期間 |
2020年7月14日~2021年1月15日 |
対象者 |
中小企業、小規模事業者、フリーランス、医療法人、NPO法人等 |
売上減少 の基準 |
2020年5月~12月の売上が以下いずれかを満たすこと (1) 1か月の売上が前年同月比50%以上減少 (2)連続する3か月の売上が前年同期比30%以上減少 |
給付上限額 |
1か月当たり100万円 ※給付月数:6か月 |
補助率 |
賃料75万円以下の部分:2/3 75万を超える部分:1/3 |