HOME コラム一覧 第6回 テレワーク導入を最優先!今年のIT導入金補助金について解説します!

第6回 テレワーク導入を最優先!今年のIT導入金補助金について解説します!

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2020年3月13日、中小企業庁でもとりわけ人気が高い「IT導入補助金」がついに公募開始しました。IT導入補助金は中小企業が業務改善・生産性向上のためにITツールを導入した際の費用を補助します。
今年は新型コロナ対策として注目を集めているテレワークの導入を特に支援するようです。今回はIT導入補助金の内容について詳しく解説していきます。
まず補助対象経費となるは、補助対象企業の申請サポートやITツール導入支援を行う「IT導入支援事業者」が登録したITツールの導入費用、及び導入コンサルなどの関連経費です。
また補助対象経費は「ソフトウェア」「オプション」「役務」の3つのタイプに分かれます。さらにソフトウェアは「業務パッケージ」「効率化パッケージ」「汎用パッケージ」に分類され、業務パッケージは8つの業務プロセス「①顧客対応」「②決済・債権債務・資金回収管理」「③調達・供給・在庫・物流」「④人材配置販売支援」「⑤業種固有プロセス(実行系)」「⑥業種固有プロセス(支援系)」「⑦会計・財務・資産・経営」「⑧総務・人事・給与・労務」に分類されます。また、効率化パッケージには「⑨自動化・分析」、汎用パッケージには「⑩汎用」というプロセスがあります。「オプション」はソフトウェアの拡張機能やセキュリティ製品など、「役務」はソフトウェアの導入コンサルや保守サポートが該当します。
登録されたITツールには上記のどのプロセスに対応しているかという情報が記載されています。そのプロセスの数や組合せによって、申請コースが「A類型」と「B類型」に分かれています。A類型は補助額30万~150万未満・補助率1/2、B類型は補助額150万~450万未満・補助率1/2が補助されます。A類型は「業務プロセス」「効率化プロセス」「汎用プロセス」の全10個のプロセスから合計2つ以上になるようにITツールを選択することになります。(B類型の要件はまだ不明です。理由は後述します。)
一方、公募期間は前回の2~3か月間から通年公募に大幅に拡張されました。3か月ごとに締切が設けられ、1次公募(2020年3月13日~3月31日)、2次公募(6月締切予定)、3次公募(9月締切予定)、4次公募(12月締切予定)がなされます。
補助金申請は「GビズIDプライムアカウント」を取得した上での電子申請が必須になります。申請の流れとしては、まず自社の業務改善・生産性向上につながる取組を明らかにした上で、その取組に必要なITツールの選定を行います。次に、そのITツールを扱うIT導入支援事業者と事前の打ち合わせを行い、その事業者から「申請マイページ」への招待を受けます。そして、マイページ上で必要書類を提出すれば交付申請は完了となり、審査にかけられます。
審査の加点対象としては、「テレワークの導入(1次公募のみ)」、「地域経済牽引事業計画の承認の取得」「地域未来牽引企業に選定される」「固定資産税ゼロの特例を措置した自治体に所在する」「クラウドを利用したITツール導入」があります。
一方、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けている場合は減点されます。今回は新規の補助金活用企業を増やすことが主な目的の1つだからです。
以上が今回のIT導入補助金の概要となりますが、実は1次公募のみ他の公募と若干内容が異なります。と言うのも、この1次公募はあくまで新型コロナウイルスの影響を勘案した景気対策として臨時的に設けられたものであり、公募要項もその事情に合わせて作成されているからです。
1次公募における変更点としては以下4点があります。第一に、1次公募では新型コロナ対策に有効なテレワーク導入を優先的に採択します。具体的には、テレワークに必要なコミュニケーションツールを導入すると、審査の加点対象となります。第二に、申請はA類型のみ可能となり、B類型は2次公募以降に申請を受け付けます。テレワーク導入にB類型ほどの補助額は必要ないこと、または1企業あたりの補助額を減らしてなるべく多くの企業にテレワークを導入してほしいという狙いがあると考えられます。第三に、2019年度IT導入補助金で交付決定を受けた企業を担当したIT導入支援事業者のITツールが補助対象になります。ITツールの新規受付は2次公募以降です。実績があるIT導入支援事業者のみに補助対象企業のサポートをさせることで、迅速且つ効率的なIT導入を可能にするためです。そして第四に、1次公募に限ってGビズIDプライムアカウントを取得しなくても電子申請ができます。GビズIDプライムアカウントは取得に1~2週間を要するため、その期間を省略することで迅速な申請を可能にする狙いがあります。
このように、1次公募では中小企業がテレワークを迅速に導入することがメインの目的となっています。また、新型コロナの感染状況によっては、2次公募以降もテレワークの加点項目が継続される可能性があります。テレワークを導入していない企業、またはテレワークを拡充しようと考えている企業は是非IT導入補助金の申請を検討してみてください。

  IT導入補助金 備考
補助額 A類型
補助額30万~150万未満
補助率1/2

B類型
補助額150万~450万未満
補助率1/2
A類型では、複数のプロセス
から合計2つ以上になるよう
にITツールを選択します。

B類型の要件は2次公募以降に
公開予定です。
募集期間 1次公募(3月31日締切)
2次公募(6月締切予定)
3次公募(9月締切予定)
4次公募(12月締切予定)
実質的に通年公募ですが、予
算が尽き次第終了となります。
1次公募のみの措置 ・テレワーク導入を優先的に採択
・A類型のみ申請受付
・前回のIT導入補助金で登録された
 ITツールが補助対象
・GビズIDプライムアカウントの取得不要。
1次公募は新型コロナ対策の
ための臨時的措置であり、2
次公募以降と内容が若干異なります。

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
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2020年3月13日、中小企業庁でもとりわけ人気が高い「IT導入補助金」がついに公募開始しました。IT導入補助金は中小企業が業務改善・生産性向上のためにITツールを導入した際の費用を補助します。今年は新型コロナ対策として注目を集めているテレワークの導入を特に支援するようです。今回はIT導入補助金の内容について詳しく解説していきます。まず補助対象経費となるは、補助対象企業の申請サポートやITツール導入支援を行う「IT導入支援事業者」が登録したITツールの導入費用、及び導入コンサルなどの関連経費です。また補助対象経費は「ソフトウェア」「オプション」「役務」の3つのタイプに分かれます。さらにソフトウェアは「業務パッケージ」「効率化パッケージ」「汎用パッケージ」に分類され、業務パッケージは8つの業務プロセス「①顧客対応」「②決済・債権債務・資金回収管理」「③調達・供給・在庫・物流」「④人材配置販売支援」「⑤業種固有プロセス(実行系)」「⑥業種固有プロセス(支援系)」「⑦会計・財務・資産・経営」「⑧総務・人事・給与・労務」に分類されます。また、効率化パッケージには「⑨自動化・分析」、汎用パッケージには「⑩汎用」というプロセスがあります。「オプション」はソフトウェアの拡張機能やセキュリティ製品など、「役務」はソフトウェアの導入コンサルや保守サポートが該当します。登録されたITツールには上記のどのプロセスに対応しているかという情報が記載されています。そのプロセスの数や組合せによって、申請コースが「A類型」と「B類型」に分かれています。A類型は補助額30万~150万未満・補助率1/2、B類型は補助額150万~450万未満・補助率1/2が補助されます。A類型は「業務プロセス」「効率化プロセス」「汎用プロセス」の全10個のプロセスから合計2つ以上になるようにITツールを選択することになります。(B類型の要件はまだ不明です。理由は後述します。)一方、公募期間は前回の2~3か月間から通年公募に大幅に拡張されました。3か月ごとに締切が設けられ、1次公募(2020年3月13日~3月31日)、2次公募(6月締切予定)、3次公募(9月締切予定)、4次公募(12月締切予定)がなされます。補助金申請は「GビズIDプライムアカウント」を取得した上での電子申請が必須になります。申請の流れとしては、まず自社の業務改善・生産性向上につながる取組を明らかにした上で、その取組に必要なITツールの選定を行います。次に、そのITツールを扱うIT導入支援事業者と事前の打ち合わせを行い、その事業者から「申請マイページ」への招待を受けます。そして、マイページ上で必要書類を提出すれば交付申請は完了となり、審査にかけられます。審査の加点対象としては、「テレワークの導入(1次公募のみ)」、「地域経済牽引事業計画の承認の取得」「地域未来牽引企業に選定される」「固定資産税ゼロの特例を措置した自治体に所在する」「クラウドを利用したITツール導入」があります。一方、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けている場合は減点されます。今回は新規の補助金活用企業を増やすことが主な目的の1つだからです。以上が今回のIT導入補助金の概要となりますが、実は1次公募のみ他の公募と若干内容が異なります。と言うのも、この1次公募はあくまで新型コロナウイルスの影響を勘案した景気対策として臨時的に設けられたものであり、公募要項もその事情に合わせて作成されているからです。1次公募における変更点としては以下4点があります。第一に、1次公募では新型コロナ対策に有効なテレワーク導入を優先的に採択します。具体的には、テレワークに必要なコミュニケーションツールを導入すると、審査の加点対象となります。第二に、申請はA類型のみ可能となり、B類型は2次公募以降に申請を受け付けます。テレワーク導入にB類型ほどの補助額は必要ないこと、または1企業あたりの補助額を減らしてなるべく多くの企業にテレワークを導入してほしいという狙いがあると考えられます。第三に、2019年度IT導入補助金で交付決定を受けた企業を担当したIT導入支援事業者のITツールが補助対象になります。ITツールの新規受付は2次公募以降です。実績があるIT導入支援事業者のみに補助対象企業のサポートをさせることで、迅速且つ効率的なIT導入を可能にするためです。そして第四に、1次公募に限ってGビズIDプライムアカウントを取得しなくても電子申請ができます。GビズIDプライムアカウントは取得に1~2週間を要するため、その期間を省略することで迅速な申請を可能にする狙いがあります。このように、1次公募では中小企業がテレワークを迅速に導入することがメインの目的となっています。また、新型コロナの感染状況によっては、2次公募以降もテレワークの加点項目が継続される可能性があります。テレワークを導入していない企業、またはテレワークを拡充しようと考えている企業は是非IT導入補助金の申請を検討してみてください。
2020.07.03 21:02:06