EDINETへの通称登録で検索時のヒット率を向上
EDINETは上場企業の立場からは開示義務を果たすためのツールにしか見えないかもしれない。しかし、決算短信の簡素化が進んだ結果、情報量の多い有価証券報告書等を開示する場であるEDINETは投資家から見て以前よりも重要性が増していることは間違いない。そうであれば、EDINETは投資家との対話の貴重な接点の1つであるとポジティブに捉えるべきである。
EDINETで書類提出者情報を指定して検索を行う場合には、下記の4つが検索対象となる。
・提出者名
・提出者名(英字)
・提出者名(ヨミ:カタカナ)
・通称
EDINETを投資家へのアピールの場と考えるのであれば、検索時のヒット率を高めるよう努力すべきであるが、これらの検索対象のうちヒット率向上に寄与する余地が大きいのが「通称」である。EDINETで通称の登録は任意とされているが、会社名の「よみ」(ひらがな)やサービス名を入力すれば、ヒット率が高まる。実際に日本電信電話株式会社はNTT、株式会社スタートトゥデイは「ZOZOTOWN」、株式会社良品計画は「無印良品」、清水建設株式会社は「しみずけんせつかぶしきがいしゃ」を登録して、ヒット率を高めている(「通称」の登録によるEDINETの検索機能の向上については、金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第4回)の資料を参照)。通称は10個まで登録可能であり、登録に際し財務局への届け出も求められていない。またこの通称は、書類提出者情報を指定して検索するときのキーワードとしてのみ使用されるものであり、会社が公認する通称でなければならないというルールはない。
会社名より商品名・サービス名の方が有名な会社、非上場の子会社の社名の方が有名な会社、合併前の会社名の方が知名度が高い会社等は、ぜひ通称の登録をしておきたい。