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2.生命保険の商品特性と法人契約


 生命保険本来の目的は保障である。具体的には「死亡保障」,「入院保障」,「貯蓄保障」などが挙げられる。その保障を「中小企業の生命保険(法人契約)の利用目的」として位置づけると「事業保障準備」,「福利厚生準備」,「退職慰労金準備」などとなるわけである。これらの内容について前章で概観したわけだが,同時にそれらと違う観点での利用目的として「課税の繰り延べ」を挙げた。保障を目的とした生命保険を中小企業(法人)が利用すると,なぜ「課税の繰り延べ」という効果が発生するのだろうか?

 このことを理解することは,生命保険そのものの特性を理解することにつながることになる。そこでここでは,生命保険の基本的な商品特性を理解し,結果として「課税の繰り延べ」についてみていくことにしよう。


1)生命保険の三つのタイプ

 生命保険は大きく三つのタイプに分類される。

 第一が死亡保険と呼ばれるものである。これは被保険者が死亡または高度障害状態になった場合にのみ保険金が支払われるものだ。このタイプの保険の代表的なものに定期保険がある。文字通り「定められた期間に限り保障する」というものである。もうひとつの代表が終身保険で,被保険者の一生を保険期間とするものだ。

 二つ目が生存保険である。これは一番目の死亡保険と逆に,定められた期間の満了時に生存していた場合に限り保険金が支払われるものだ。

 三つ目が,死亡保険と生存保険を組み合わせた生死混合保険といわれるものである。

 ここでは経営者を対象とした保険の代表である定期保険を例に話を進めていきたい。



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