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1.必要性と法律  2.契約書をかわす前に  3.契約書の作成

契約書の作成

 契約書を作成するのに法律上の決まりや制限は一切ありませんので、当事者が自由に作成することができます。どのような形であれ、その文章の内容から契約の存在が推測できればすべて契約書といえます。例えば、「覚書」、「念書」、「協定書」なども、その内容が契約書として意味をもつもでのあれば、契約書の一種といえます。法律上の決まりはありませんが、契約事項の内容が適切で簡潔にまとめられたものが望ましいに違いはありません。一般的には次の構成で契約書を作成すると良いでしょう。

(1)表題 → 「賃貸借契約書」など、一目で契約内容がわかる表題をつけるのが良い
(2)前文 → 契約当事者が誰であるか明確にする
(3)本文 → 契約内容を記載する
(4)末文 → 作成した契約書の通数、所持者などを記載する
(5)契約書作成年月日 → 契約締結日を記載する
(6)契約当事者の住所・氏名・押印 → 署名または記名と押印はトラブルを防ぐ為にも当事者の面前で行うと良いでしょう
(7)違約に備える特約 → 「解除特約」、「損害賠償額の特約」、「裁判所の合意管轄規定」などを必要に応じて定めると良いでしょう


契約書の押印

 契約書には、署名捺印のほかに、契印・訂正印・捨印・消印といった押印があります。

◎契印
(綴印)
 契約書の用紙が2枚以上にわたる場合、その綴じ目に2枚の用紙にまたがって押印するもの。2枚の契約書が一体のものであること、契約書の綴じ順序を明確にするために押印します。なお、袋綴じの場合は、裏側の綴じ目に当事者双方が1つずつ押印すれば良いです。
◎訂正印  契約書の文字の誤りや脱落があった場合、それを訂正するために押印するもの。訂正する権限のあるものが訂正したことを明確にするためのものです。通常の訂正方法としては、訂正個所に元の文字が読めるように2本の線を引き、縦書きならその右横に、横書きならその上に正しい字を書きます。訂正印は加除訂正箇所に当事者双方の印を押すが、元の文字が見えにくくなる場合は、欄外に「○字加入」「○字削除」などと記入しそこに押しても良いです。(商業登記規則第48条3項)
◎捨印  後日、契約の字句を訂正する時のためにあらかじめ欄外に押印しておくものです。後になって訂正箇所がみつかってもわざわざ相手側の捺印をもらいにいく手間を省くものですが、知らないうちに無断で文書内容を訂正されてしまう場合があるので、確かな信頼関係がある場合に限ったほうが良いでしょう。
◎消印  収入印紙の再使用を防ぐために、印紙と台紙とにまたがって押印するもの。このような目的で押印されるものなので、必ずしも契約書に使用した印でなくても良く、署名者全員で押印する必要もありません。


契約書の管理

 契約書を作成後、調印が済んだら契約書のコピーを関係部署に配布して、契約内容に従った履行の準備をします。契約書の原本は、契約書の成立ならびにその内容を立証する大切な文書ですから、きちんとした保管場所を決め、管理上の責任者も明確にしておく必要があります。