国税庁、住宅資金贈与の新非課税制度のあらまし公開
国税庁はこのほど、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましを公表した。これは令和4年度税制改正による同特例の見直しを受けたもの。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度とは、父母や祖父母等の直系尊属から住宅の購入・新築・増改築等をするための資金の贈与を受けた場合、一定の要件のもと贈与税が非課税になる制度。
令和4年度税制改正では、受贈者の年齢要件の下限が従前の20歳以上から18歳以上に引き下げた上、対象となる既存住宅用家屋の要件を耐震基準に一本化(経過年数基準は廃止)。非課税限度額については、省エネ等住宅(省エネ、耐震、バリアフリー等)は1000万円、それ以外の住宅は500万円と見直した上で、特例の適用期限を2年間延長した。適用要件が緩和、期限が延長された一方で、非課税限度額は縮小(従前は最大1500万円)された格好だ。
今回公表された「あらまし」では、同制度の改正点を詳解した上で、特に注意が必要な点として、省エネ住宅について、住宅ローン控除の適用、相続時精算課税の適用などを掲げ注意を促している。
省エネ等住宅については、断熱等性能等級4以上若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、耐震等級2以上若しくは免震建築物であること、または高齢者等配慮対策等級3以上であること等の「省エネ基準」に適合する必要があるが、それぞれの基準について住宅性能証明書や建設住宅性能評価書の写し、住宅省エネルギー性能証明書等の証明を申告書に添付する必要がある。
住宅ローン控除を適用する場合には、住宅借入金等の年末残高の合計額が、住宅用の家屋の新築等の対価の額又は費用の額から新非課税制度等の適用を受けた部分の金額を差し引いた額を超えるときには、その超える部分については住宅ローン控除の適用はないとしている。
また、平成15年1月1日から令和5年12月31日までに住宅取得資金贈与を受けた場合については、贈与者がその贈与の年の1月1日において60歳未満であっても相続時精算課税を選択できるとしている。
なお、住宅資金贈与の新税制については令和4年1月1日以後の住宅資金贈与について適用となるが、受贈年齢の引下げについては成人年齢が引き下げられた令和4年4月1日からの適用となるので注意が必要だ。
「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましについて
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)