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所得税調査はコロナ禍での実地調査減少で申告漏れ所得3割減

 国税庁がこのほど公表した令和2事務年度所得税の調査状況によると、個人に対する今年6月までの1年間の調査は50万2千件(対前事務年度比16.4%増)に対して行われ、27万9千件(同6.2%増)から5577億円(同29.3%減)の申告漏れ所得を把握し、732億円(同46.3%減)を追徴したことがわかった。1件あたりでは111万円(同35.3%減)の申告漏れに対し15万円を追徴している。

 調査件数のうち、実地調査の件数は、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある「特別調査・一般調査」は、1万8713件(同56.1%減)に実施して1万6973件(同55.4%減)から2770億円(同45.3%減)の申告漏れを、資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査である「着眼調査」は、5091件(同70.2%減)に実施して3837件(同69.2%減)から222億円(同61.2%減)の申告漏れをそれぞれ把握しているが、調査件数は特別・一般調査で前事務年度の4割強、着眼調査で3割をやっと確保した程度と、新型コロナウイルス感染症の影響により実地調査の件数は大幅に減少している。

一方、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い申告内容を是正する「簡易な接触」は47万8494件(同28.7%増)に対して行われ、25万8485件(同21.7%増)から2586億円(同14.9%増)の申告漏れを把握して199億円(同42.1%増)を追徴している。1件当たりの平均申告漏れは54万円(同11.5%減)だった。

 なお、業種別1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種は、「プログラマー」(4927万円)、「畜産業(肉用牛)」(3515万円)、「内科医」(3339万円)がワースト3となっており、前年度ワースト1だった「風俗業」はワースト10の圏外となっている。

令和2事務年度の所得税の調査状況について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁がこのほど公表した令和2事務年度所得税の調査状況によると、個人に対する今年6月までの1年間の調査は50万2千件(対前事務年度比16.4%増)に対して行われ、27万9千件(同6.2%増)から5577億円(同29.3%減)の申告漏れ所得を把握し、732億円(同46.3%減)を追徴したことがわかった。1件あたりでは111万円(同35.3%減)の申告漏れに対し15万円を追徴している。 調査件数のうち、実地調査の件数は、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある「特別調査・一般調査」は、1万8713件(同56.1%減)に実施して1万6973件(同55.4%減)から2770億円(同45.3%減)の申告漏れを、資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査である「着眼調査」は、5091件(同70.2%減)に実施して3837件(同69.2%減)から222億円(同61.2%減)の申告漏れをそれぞれ把握しているが、調査件数は特別・一般調査で前事務年度の4割強、着眼調査で3割をやっと確保した程度と、新型コロナウイルス感染症の影響により実地調査の件数は大幅に減少している。 一方、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い申告内容を是正する「簡易な接触」は47万8494件(同28.7%増)に対して行われ、25万8485件(同21.7%増)から2586億円(同14.9%増)の申告漏れを把握して199億円(同42.1%増)を追徴している。1件当たりの平均申告漏れは54万円(同11.5%減)だった。 なお、業種別1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種は、「プログラマー」(4927万円)、「畜産業(肉用牛)」(3515万円)、「内科医」(3339万円)がワースト3となっており、前年度ワースト1だった「風俗業」はワースト10の圏外となっている。
2021.11.30 16:11:02