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菅首相辞任で動く政局 22年度予算への影響必至

 菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明し、政局が一気に流動化した。スタートしたばかりの2022年度予算編成にも影響が出る可能性がある。
 財務省が8月末に締め切った各省庁からの概算要求の総額は、過去最大の111兆6559億円となった。通常、概算要求後は財務省の査定を経て年末までに予算案を閣議決定し、年度内の成立を目指して年明けに衆参両院で予算案の審議に入る。だが、ある財務省幹部は、総選挙が11月にずれ込めば、与党税調の税制改正論議の開始が遅れ、予算案の閣議決定も越年する可能性があると指摘する。
 3月末までに翌年度予算が成立しないと、成立までに必要な経費を盛り込んだ「暫定予算」を組む。13年度と15年度は、どちらも前年12月に衆院選があった影響で予算編成が遅れ、それぞれ50日間、11日間の暫定予算を組んだ。現在の衆院議員の任期は10月21日までで、総選挙については「外交日程を考慮すれば、11月7日投開票が本命」(政府筋)との指摘がある。最も遅い衆院選日程は11月28日投開票で、自民党総裁選後の新首相による判断に注目が集まる。
 総選挙を控え、自民党内からは30兆円規模の経済対策を求める声も出ており、総裁選への出馬を表明している岸田文雄前政調会長も持続化給付金の再配布などで数十兆円規模の対策を打ち出している。こうした歳出圧力に財務省は警戒感を強めており、主計局の幹部は「一律給付のようなバラマキは必要のない人にもお金がわたってしまう。選挙の武器としては格好かもしれないが、(財源拠出のための国債発行で)将来の子どもたちに付けを回すことになる」と危機感を募らせている。

提供元:エヌピー通信社

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主計局幹部が解説 22年度概算要求のポイント

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 菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明し、政局が一気に流動化した。スタートしたばかりの2022年度予算編成にも影響が出る可能性がある。 財務省が8月末に締め切った各省庁からの概算要求の総額は、過去最大の111兆6559億円となった。通常、概算要求後は財務省の査定を経て年末までに予算案を閣議決定し、年度内の成立を目指して年明けに衆参両院で予算案の審議に入る。だが、ある財務省幹部は、総選挙が11月にずれ込めば、与党税調の税制改正論議の開始が遅れ、予算案の閣議決定も越年する可能性があると指摘する。 3月末までに翌年度予算が成立しないと、成立までに必要な経費を盛り込んだ「暫定予算」を組む。13年度と15年度は、どちらも前年12月に衆院選があった影響で予算編成が遅れ、それぞれ50日間、11日間の暫定予算を組んだ。現在の衆院議員の任期は10月21日までで、総選挙については「外交日程を考慮すれば、11月7日投開票が本命」(政府筋)との指摘がある。最も遅い衆院選日程は11月28日投開票で、自民党総裁選後の新首相による判断に注目が集まる。 総選挙を控え、自民党内からは30兆円規模の経済対策を求める声も出ており、総裁選への出馬を表明している岸田文雄前政調会長も持続化給付金の再配布などで数十兆円規模の対策を打ち出している。こうした歳出圧力に財務省は警戒感を強めており、主計局の幹部は「一律給付のようなバラマキは必要のない人にもお金がわたってしまう。選挙の武器としては格好かもしれないが、(財源拠出のための国債発行で)将来の子どもたちに付けを回すことになる」と危機感を募らせている。提供元:エヌピー通信社
2021.09.09 16:56:05