新型コロナで黒字法人の所得金額が10年振りに減少
国税庁の「令和元年度分会社標本調査結果」によると、新型コロナウイルス感染症の影響が一部反映されたことにより利益計上法人(いわゆる黒字法人)の所得金額が平成21年度分以来となる減少に転じたことがわかった。
連結法人1グループを1社とみた法人企業274万5437社の状況は、黒字法人が105万4080社、欠損法人は169万1357社となっており、黒字法人は9年連続して増加、赤字法人は2年振りに減少している。全法人に占める欠損法人割合は61.6%となり、過去最も欠損割合が高い72.8%となった平成21年度分から10年連続して下がり続けており、全体的には景気は上昇傾向にあるといえる。
全法人の営業収入金額は1484兆7912億円で、このうち黒字法人の営業収入金額は1133兆7453億円と10.7%の大幅減少を記録して4年振りに減ったことから、所得金額も63兆2588億円で9.3%の減少に転じた。また、法人税額も11兆2115億円と12兆円を割っている。
一方、“景気のバロメーター”と言われる交際費等の支出額は、3兆9402億円と0.5%減少して8年振りのマイナスとなり、ここでも新型コロナウイルス感染症の影響が浮き彫りとなっている。また、このうち税法上損金不算入とされた金額は24.8%に当たる9783億円。
支出額を業種別にみると、営業収入金額10万円当たりの支出額が最も多い業種は「建設業」の706円、最も少ない業種は「鉱業」147円となっている。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)