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2021年度予算案 3年連続で100兆円超え コロナ対策予備費が押し上げ

 政府は12月21日、2021年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は20年度当初予算比3兆9517億円(3.8%)増の106兆6097億円。当初での100兆円超えは3年連続で、過去最大を9年連続で更新した。新型コロナウイルス対策が追加で必要になった場合に備えた予備費5兆円などが歳出を押し上げた。
 麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「21年度予算は20年度第3次補正予算と合わせ、コロナ禍にある国民の命と生活を守るための感染拡大防止に万全を期していく。中長期的課題を見据えた上で着実に対応を進めていく予算としている」と胸を張った。
 確かに、菅政権初となる予算案は、デジタル化の遅れや大都市への一極集中といったコロナ禍が浮き彫りにした課題への対応を重視。運転免許証とマイナンバーカードの一体化に向けたシステム整備(107億円)、デジタル教科書の普及(22億円)、テレワーク推進(1.2億円)、東京一極集中の是正にもつながる地方大学の振興(97.5億円)――など、コロナ禍をきっかけに変革を加速させようと意識した項目が並んだ。
 ただ、コロナ対応に充てる予備費は従来の10倍となる5兆円を計上したが、積算根拠ははっきりせず、国会の議決なしで支出できるため無駄な支出の温床にもなりかねない。他にも、文部科学省がコロナ禍を”追い風”に実現を勝ち取った小学校の35人以下学級は同省が進めるIT機器活用による「GIGAスクール構想」とどう整合するのかが見えにくいなど、費用対効果について丁寧な説明が求められるものも多い。
 コロナで必要性が薄れた歳出も多くが温存され、公共事業を始め、要求通り前年同額が計上されたケースが少なくない。看板政策には予算を積み上げる一方、歳出カットは進まず、菅政権が掲げた「賢い支出」は掛け声倒れに終わった印象が否めない。
 また、新型コロナウイルス対応などで大量に増発した国債の償還を巡って、菅義偉政権は東日本大震災後に創設した「復興特別税」のような税源論には現時点で触れていない。海外では欧州連合(EU)が復興基金の創設と合わせた債券発行など財源確保に向けた検討を進めており、日本も遠からず議論を迫られそうだ。

提供元:エヌピー通信社

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10月1日更新

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 政府は12月21日、2021年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は20年度当初予算比3兆9517億円(3.8%)増の106兆6097億円。当初での100兆円超えは3年連続で、過去最大を9年連続で更新した。新型コロナウイルス対策が追加で必要になった場合に備えた予備費5兆円などが歳出を押し上げた。 麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「21年度予算は20年度第3次補正予算と合わせ、コロナ禍にある国民の命と生活を守るための感染拡大防止に万全を期していく。中長期的課題を見据えた上で着実に対応を進めていく予算としている」と胸を張った。 確かに、菅政権初となる予算案は、デジタル化の遅れや大都市への一極集中といったコロナ禍が浮き彫りにした課題への対応を重視。運転免許証とマイナンバーカードの一体化に向けたシステム整備(107億円)、デジタル教科書の普及(22億円)、テレワーク推進(1.2億円)、東京一極集中の是正にもつながる地方大学の振興(97.5億円)――など、コロナ禍をきっかけに変革を加速させようと意識した項目が並んだ。 ただ、コロナ対応に充てる予備費は従来の10倍となる5兆円を計上したが、積算根拠ははっきりせず、国会の議決なしで支出できるため無駄な支出の温床にもなりかねない。他にも、文部科学省がコロナ禍を”追い風”に実現を勝ち取った小学校の35人以下学級は同省が進めるIT機器活用による「GIGAスクール構想」とどう整合するのかが見えにくいなど、費用対効果について丁寧な説明が求められるものも多い。 コロナで必要性が薄れた歳出も多くが温存され、公共事業を始め、要求通り前年同額が計上されたケースが少なくない。看板政策には予算を積み上げる一方、歳出カットは進まず、菅政権が掲げた「賢い支出」は掛け声倒れに終わった印象が否めない。 また、新型コロナウイルス対応などで大量に増発した国債の償還を巡って、菅義偉政権は東日本大震災後に創設した「復興特別税」のような税源論には現時点で触れていない。海外では欧州連合(EU)が復興基金の創設と合わせた債券発行など財源確保に向けた検討を進めており、日本も遠からず議論を迫られそうだ。提供元:エヌピー通信社
2020.12.24 16:17:58