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海外投資等行う富裕層の申告漏れ所得・追徴税額過去最高に

 このほど公表された令和元事務年度の所得税等の調査状況では新型コロナウイルス感染症の影響により調査事務量の減少等から調査件数及び申告漏れ件数、追徴税額等が減っていることが明らかになったが、国税当局では同事務年度においても“富裕層”への調査を積極的に行っていて、調査件数自体は上記の理由から減っているものの申告漏れ所得金額や追徴税額は増えていることがわかった。

 有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人などの富裕層に対して、国税当局では資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭にここ数年来、積極的に調査を実施しており、今年6月までの1年間で4463件(前事務年度5313件)に調査を行っている。

 調査の結果、何らかの非違のあった件数は3837件(同4517件)で、その申告漏れ所得金額は789億円(同763億円)にのぼり、259億円(同203億円)を追徴している。1件当たりの申告漏れ所得金額は1767万円(同1436万円)で、追徴税額は581万円(同383万円)となっていて、先に公表された所得税全般の実地調査全体平均を大きく上回っている。

 また、富裕層の中で海外投資等が盛んに行われているとともに申告漏れが見受けられることから、海外投資等をした富裕層936件(同859件)へ調査を展開。その結果、807件(同731件)から何らかの非違が見つかり、申告漏れ所得金額は411億円(同328億円)と前年度に比べ25.3%も増加し、その追徴税額も79億円から147億円と大幅に増えてともに過去最高を記録した。また、1件当たりでも申告漏れ所得金額が4393万円、追徴税額1571万円と高額となっており、国税当局が今後もさらに目を光らせそうだ。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 このほど公表された令和元事務年度の所得税等の調査状況では新型コロナウイルス感染症の影響により調査事務量の減少等から調査件数及び申告漏れ件数、追徴税額等が減っていることが明らかになったが、国税当局では同事務年度においても“富裕層”への調査を積極的に行っていて、調査件数自体は上記の理由から減っているものの申告漏れ所得金額や追徴税額は増えていることがわかった。 有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人などの富裕層に対して、国税当局では資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭にここ数年来、積極的に調査を実施しており、今年6月までの1年間で4463件(前事務年度5313件)に調査を行っている。 調査の結果、何らかの非違のあった件数は3837件(同4517件)で、その申告漏れ所得金額は789億円(同763億円)にのぼり、259億円(同203億円)を追徴している。1件当たりの申告漏れ所得金額は1767万円(同1436万円)で、追徴税額は581万円(同383万円)となっていて、先に公表された所得税全般の実地調査全体平均を大きく上回っている。 また、富裕層の中で海外投資等が盛んに行われているとともに申告漏れが見受けられることから、海外投資等をした富裕層936件(同859件)へ調査を展開。その結果、807件(同731件)から何らかの非違が見つかり、申告漏れ所得金額は411億円(同328億円)と前年度に比べ25.3%も増加し、その追徴税額も79億円から147億円と大幅に増えてともに過去最高を記録した。また、1件当たりでも申告漏れ所得金額が4393万円、追徴税額1571万円と高額となっており、国税当局が今後もさらに目を光らせそうだ。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2020.12.02 15:48:09