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非居住者期間中のFX取引に伴う所得は国内源泉所得と認定

 日本国内に恒久的施設を有しない非居住者の期間に国内の金融商品取引業者との間で行われた店頭外国為替証拠金取引(いわゆるFX取引)に係る所得が国内源泉所得に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、店頭外国為替証拠金取引における未決済取引に係る契約上の地位は所得税法161条1号が定める資産に該当し、その取引によって生じた所得は資産の運用、保有により生じた所得として国内源泉所得に該当すると判断して、審査請求を棄却した。

 この事件は、日本国内に恒久的施設を有しない非居住者が日本の金融商品取引業者との間で行われたFX取引により生じた所得を、原処分分庁が国内にある資産の運用により生じた所得と認定して所得税等の更正処分等を行ってきたことから、請求人がFX取引により生じた所得は国内にある資産の運用により生ずる所得には該当しないと主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 請求人は、FX取引を始めるため、日本国内の金融商品取引業者にFX取引口座の開設を申し込んだが、その2ヵ月後、勤務先からの海外への転任命令に伴って転任先に住所を移し、その翌日以降、国内に恒久的施設を有しない非居住者になっていたという事情にあったからだ。

 裁決は、所得税法161条1号が定める資産とは、運用、保有若しくは譲渡による所得を生じさせ得る財産権をいうと解した上で、経済的価値を有する契約上の権利や地位などを広く含む概念と解するのが相当であるところ、非居住者期間中に請求人が行ったFX取引の未決済取引に係る契約上の地位は差金決済を行うことにより利益又は損失を生じさせ得る財産権として資産に該当すると指摘。

 また、資産の運用、保有により生ずる所得とは資産の譲渡による所得以外の所得で、資産の運用又は保有の行為によって生じた所得を広く含むと解するのが相当であるとも解釈した。その上で、FX取引に係る差金決済等に係る所得は、契約上の地位に係る権利の行使又は保有によって生じたもので、他に移転したことにより生じたものではないから、資産の運用、保有により生ずる所得に該当すると判断して棄却した。

 なお、取引の決済は非居住者となった後のことであるため、その取引は「先物取引に係る雑所得等の課税の特例(措法41の14①)」の要件を満たさないとも判断している。

(2019.03.25国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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3月31日更新

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2019.11.25 16:02:38