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厚労省、良質な医療提供への税制支援を要望

 超高齢化社会の到来に向けた医療環境の整備に関心が集まる中、厚生労働省が、良質かつ適切な医療を継続的、安定的に提供するための医療機関への税制面からのフォローを強く要望している。

 同省の令和2年度税制改正の筆頭に載っているのは、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の拡充と延長。医療法人の出資者が死亡した場合、相続税支払いのための持分払戻し等により医業継続が困難になることが想定されることから、医療法人が引き続き地域医療の担い手として医療を継続していけるよう、医療法上の持ち分なし医療法人への移行計画の認定制度を前提として「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置」が設けられているが、同特例の要件を緩和した上で延長する。

 医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設も要望している。医師少数区域等において必要な医療を提供する医療機関(医療法人等)について、一定の期間の事業継続等を要件として、事業の継続に関する相続税、贈与税等に係る納税を猶予し、一定の期間事業を継続した場合には猶予税額を免除するというものだ。

 また、基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設も要望。これは持分なし医療法人への移行を促進するため、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際に、当初出資金を超える部分に課税される「みなし配当課税」について基金が払い戻しされるまでの間納税猶予するというもの。

 このほか、医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号の活用に係る税制上の所要の措置の創設や、マイナポータルを活用した医療費控除の申告手続きの簡素化など、地域住民に良質かつ適切な医療を安定的に提供し、健康寿命を延伸して生涯にわたって健康に活躍できる社会を目指すための税制サポートが盛りだくさんの要望となっている。

令和2年度 主な税制改正要望の概要について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 超高齢化社会の到来に向けた医療環境の整備に関心が集まる中、厚生労働省が、良質かつ適切な医療を継続的、安定的に提供するための医療機関への税制面からのフォローを強く要望している。 同省の令和2年度税制改正の筆頭に載っているのは、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の拡充と延長。医療法人の出資者が死亡した場合、相続税支払いのための持分払戻し等により医業継続が困難になることが想定されることから、医療法人が引き続き地域医療の担い手として医療を継続していけるよう、医療法上の持ち分なし医療法人への移行計画の認定制度を前提として「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置」が設けられているが、同特例の要件を緩和した上で延長する。 医師少数区域等における医療法人の承継税制の創設も要望している。医師少数区域等において必要な医療を提供する医療機関(医療法人等)について、一定の期間の事業継続等を要件として、事業の継続に関する相続税、贈与税等に係る納税を猶予し、一定の期間事業を継続した場合には猶予税額を免除するというものだ。 また、基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設も要望。これは持分なし医療法人への移行を促進するため、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際に、当初出資金を超える部分に課税される「みなし配当課税」について基金が払い戻しされるまでの間納税猶予するというもの。 このほか、医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号の活用に係る税制上の所要の措置の創設や、マイナポータルを活用した医療費控除の申告手続きの簡素化など、地域住民に良質かつ適切な医療を安定的に提供し、健康寿命を延伸して生涯にわたって健康に活躍できる社会を目指すための税制サポートが盛りだくさんの要望となっている。
2019.09.19 12:17:03