全国銀行協会がNISAの恒久化等を要望
全国銀行協会はこのほど、令和2年度税制改正要望を公表した。
公的年金だけでは老後資金が不安視されている中、高齢・長寿社会での豊かな老後生活の実現には、現役世代のうちから資産形成を行うことが有用であるとして、3つの少額投資非課税制度(NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)を時限措置から恒久措置に、また、確定拠出年金税制について運用時課税となる積立金に対する特別法人税を撤廃するほか、iDeCo(個人型確定拠出年金)加入可能年齢の上限引上げ等の見直しを求めた。
本年3月末時点で、NISAの口座数は1160万口座で累積買付額16兆円、つみたてNISAの口座数は130万口座で累積買付額1330億円にのぼっているものの、時限措置(NISAは非課税期間5年で2023年まで投資可能、つみたてNISAは非課税期間20年で2037年まで投資可能)であることから、つみたてNISAは本年以降、NISAは来年以降、新たに投資を開始する場合に、運用時非課税の対象となる累積投資総額が減少する。そこで、非課税期間・投資可能期間の恒久化または延長を要望。
確定拠出年金の積立金に対しては運用時に特別法人税が企業に課税されることになっているが、来年3月までは課税が停止されている。課税停止が終わり特別法人税が課税された場合、企業の掛金負担の増加や給付額の減少につながりかねないことから、特別法人税の撤廃または課税停止の延長を要望。また、拠出限度額のさらなる引上げとともに、現在60歳となっているiDeCoの加入可能年齢を65歳に引き上げることも求めている。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)