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会計検査院が税の徴収過不足2億6千万円を公表

 会計検査院がこのほど公表した平成29年度決算検査報告によると、検査した38の税務署の納税者58人から税の徴収過不足が2億6673万円(徴収不足2億6273万円、徴収過大400万円)あったことがわかった。

 納税者が申告した所得金額や税額等の誤りの見過ごしや、法令等の適用の検討不十分、課税資料の収集・活用の不的確などが過不足の原因。検査結果を受けこれらの額は全て徴収や支払決定の処置がとられている。

 過不足額が最も多かった税目は、法人税(徴収不足1億2629万円、徴収過大400万円)で、受取配当等の益金不算入に関するものが法人税全体の3分の1を占めた。

 たとえば、A社の場合、平成27年4月から28年3月までの事業年度の申告で、その有する他の法人の株式のうち8法人の株式を「その他株式」に該当するとして、受取配当等の益金不算入の対象となる金額を、配当等の額の50%相当額3232万円としていた。

 しかし、A社は、8法人のいずれについても発行済株式総数の5%以下に相当する数の株式を配当等の額の支払に係る基準日に有していたことから、これらの株式は「非支配目的株式等」に該当し、受取配当等の益金不算入の対象となる金額は配当等の額の20%相当額1292万円となる。税務署はこれを見過ごしたため、法人税額351万円が徴収不足になっていた。

 他の法人に出資し配当金を受け取った場合、受取配当金は課税対象となるものの、その出資割合に応じて一定割合を課税対象から除外できるのが受取配当等の益金不算入制度。配当等の額の50%を除外できる「その他株式」の場合、出資割合が5%超3分の1以下でなければ該当しない。平成27年度税制改正で見直されていた。

租税の徴収額過不足について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 会計検査院がこのほど公表した平成29年度決算検査報告によると、検査した38の税務署の納税者58人から税の徴収過不足が2億6673万円(徴収不足2億6273万円、徴収過大400万円)あったことがわかった。 納税者が申告した所得金額や税額等の誤りの見過ごしや、法令等の適用の検討不十分、課税資料の収集・活用の不的確などが過不足の原因。検査結果を受けこれらの額は全て徴収や支払決定の処置がとられている。 過不足額が最も多かった税目は、法人税(徴収不足1億2629万円、徴収過大400万円)で、受取配当等の益金不算入に関するものが法人税全体の3分の1を占めた。 たとえば、A社の場合、平成27年4月から28年3月までの事業年度の申告で、その有する他の法人の株式のうち8法人の株式を「その他株式」に該当するとして、受取配当等の益金不算入の対象となる金額を、配当等の額の50%相当額3232万円としていた。 しかし、A社は、8法人のいずれについても発行済株式総数の5%以下に相当する数の株式を配当等の額の支払に係る基準日に有していたことから、これらの株式は「非支配目的株式等」に該当し、受取配当等の益金不算入の対象となる金額は配当等の額の20%相当額1292万円となる。税務署はこれを見過ごしたため、法人税額351万円が徴収不足になっていた。 他の法人に出資し配当金を受け取った場合、受取配当金は課税対象となるものの、その出資割合に応じて一定割合を課税対象から除外できるのが受取配当等の益金不算入制度。配当等の額の50%を除外できる「その他株式」の場合、出資割合が5%超3分の1以下でなければ該当しない。平成27年度税制改正で見直されていた。
2018.11.15 16:36:47