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ストックオプション権利行使期間の短縮にお墨付き

 ストックオプション(新株予約権)の権利行使期間は一定要件のもと短縮できることが、納税者からの事前紹介に対する国税庁の文書回答により明らかとなった。

 措置法第29条の2(特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等)では、税制適格要件の一つとして「新株予約権等の行使は、当該新株予約権等に係る付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に行わなければならない」(第1項第1号)と定められている。

 照会者は、この権利行使期間要件に加え、一定の事由が生じた場合には、権利行使期間内の一定の期間に限り権利行使ができる旨の行使条件を付す予定で、この場合でも税制適格ストックオプションに該当するものと取り扱ってよいかとの照会を行った。

 ここでいう一定の事由とは、照会者の発行済株式総数の過半数の株式について、同時に特定の第三者に移転する旨の書面による合意が、各保有者と当該第三者との間で成立した場合(過半数超譲渡)。

 そして、この一定の事由が生じた場合、本件権利者は交付を受けた本件新株予約権の全てについて、照会者が指定する期間(過半数超譲渡時行使期間)に行使することができ、本件権利者が過半数超譲渡時行使期間の末日までに本件新株予約権の行使を行わなかったときは、本件新株予約権を行使することができないとする内容だ。

 本件付与契約では、その権利行使について権利行使期間要件が定める期間の範囲内で、更に権利行使できる期間が制限される場合もあることになるが、これについて照会者は、権利行使期間要件は文理上、「付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間」に権利行使しなければならないとしているのみであり、その期間外の期間における権利行使を除外するものに過ぎないものと考えられることから、その権利行使期間要件に定められた期間内であれば、その付与契約において権利行使期間を短く定めたとしても、権利行使期間要件に反することにはならないものと考えると説明。

 これに対し国税庁は、照会に係る事実関係を前提とする限り、紹介者の考え方のとおりで差し支えないと解答した。

税制適格ストックオプションについて

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 ストックオプション(新株予約権)の権利行使期間は一定要件のもと短縮できることが、納税者からの事前紹介に対する国税庁の文書回答により明らかとなった。 措置法第29条の2(特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等)では、税制適格要件の一つとして「新株予約権等の行使は、当該新株予約権等に係る付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に行わなければならない」(第1項第1号)と定められている。 照会者は、この権利行使期間要件に加え、一定の事由が生じた場合には、権利行使期間内の一定の期間に限り権利行使ができる旨の行使条件を付す予定で、この場合でも税制適格ストックオプションに該当するものと取り扱ってよいかとの照会を行った。 ここでいう一定の事由とは、照会者の発行済株式総数の過半数の株式について、同時に特定の第三者に移転する旨の書面による合意が、各保有者と当該第三者との間で成立した場合(過半数超譲渡)。 そして、この一定の事由が生じた場合、本件権利者は交付を受けた本件新株予約権の全てについて、照会者が指定する期間(過半数超譲渡時行使期間)に行使することができ、本件権利者が過半数超譲渡時行使期間の末日までに本件新株予約権の行使を行わなかったときは、本件新株予約権を行使することができないとする内容だ。 本件付与契約では、その権利行使について権利行使期間要件が定める期間の範囲内で、更に権利行使できる期間が制限される場合もあることになるが、これについて照会者は、権利行使期間要件は文理上、「付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間」に権利行使しなければならないとしているのみであり、その期間外の期間における権利行使を除外するものに過ぎないものと考えられることから、その権利行使期間要件に定められた期間内であれば、その付与契約において権利行使期間を短く定めたとしても、権利行使期間要件に反することにはならないものと考えると説明。 これに対し国税庁は、照会に係る事実関係を前提とする限り、紹介者の考え方のとおりで差し支えないと解答した。
2018.11.14 17:03:22