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カード利用で税優遇 経産省が40%目標に向け検討

 「キャッシュレス後進国」を返上しようと、経済産業省が躍起になっている。クレジットカードや電子マネーなどを使った国内の支払い比率を2025年までに40%にまで引き上げる目標を掲げ、所得控除など消費者への税優遇策を探っている。財務省の抵抗は必至だが、楽観視する向きもある。
 経産省によると、日本のキャッシュレス決済の比率は2015年の時点で18%しかなく、韓国(89%)や中国(60%)、イギリス(55%)など主要国と比べてかなり低い。日本は16年も20%にとどまった。なかなか日本の消費者に浸透しないのは、現金支払いに安心や安全を感じているほか、ATMが多く現金の用意に困らないことが理由に挙げられる。またカード会社に支払う手数料が高めに設定されているため、特に地方では導入に消極的な小売店が少なくない。その結果、訪日観光客の不満も高まっている。
 経産省が注目するのは韓国だ。年間のカード利用額の2割を控除する仕組みを打ち出したのは1999年。その後の3年間で、利用額は7倍に急増した。経産省幹部は「韓国ほどドラスティックな対応は難しいが、いずれは決済比率を同等の80%まで高めたい」と語る。夏までに協議会を設置して具体策の検討に入り、2019年度予算の概算要求や税制改正要望に盛り込むという。
 問題は財務省のハードルをどうクリアするか。別の経産省幹部は「森友学園への国有地売却を巡る一連の不祥事で、解体論が出るほどサンドバッグ状態の今こそ好機」と語り、こう続けた。「正攻法で説得できなくても、政権のコアに多数いるウチの出身官僚が動く」。寝技も駆使して、弱りきった財務省を押し切る算段だ。

提供元:エヌピー通信社

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 「キャッシュレス後進国」を返上しようと、経済産業省が躍起になっている。クレジットカードや電子マネーなどを使った国内の支払い比率を2025年までに40%にまで引き上げる目標を掲げ、所得控除など消費者への税優遇策を探っている。財務省の抵抗は必至だが、楽観視する向きもある。 経産省によると、日本のキャッシュレス決済の比率は2015年の時点で18%しかなく、韓国(89%)や中国(60%)、イギリス(55%)など主要国と比べてかなり低い。日本は16年も20%にとどまった。なかなか日本の消費者に浸透しないのは、現金支払いに安心や安全を感じているほか、ATMが多く現金の用意に困らないことが理由に挙げられる。またカード会社に支払う手数料が高めに設定されているため、特に地方では導入に消極的な小売店が少なくない。その結果、訪日観光客の不満も高まっている。 経産省が注目するのは韓国だ。年間のカード利用額の2割を控除する仕組みを打ち出したのは1999年。その後の3年間で、利用額は7倍に急増した。経産省幹部は「韓国ほどドラスティックな対応は難しいが、いずれは決済比率を同等の80%まで高めたい」と語る。夏までに協議会を設置して具体策の検討に入り、2019年度予算の概算要求や税制改正要望に盛り込むという。 問題は財務省のハードルをどうクリアするか。別の経産省幹部は「森友学園への国有地売却を巡る一連の不祥事で、解体論が出るほどサンドバッグ状態の今こそ好機」と語り、こう続けた。「正攻法で説得できなくても、政権のコアに多数いるウチの出身官僚が動く」。寝技も駆使して、弱りきった財務省を押し切る算段だ。提供元:エヌピー通信社
2018.04.13 11:41:52