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コインチェック 返金は課税対象

 不正アクセスなどによって流出した分の仮想通貨を日本円で補償された時に、取得時の価格より返金価格が高い時には、非課税である損害賠償金には当たらず、課税所得に含まれるとの見解を政府が示した。1月に約580億円の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出させたコインチェック社は、顧客に対して日本円で返金する方針を打ち出している。
 政府が2月27日、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問に答えた。「コインチェック社が日本円で返金したとして、取得時の価格より上回っていた時には、差額が利益とみなされて課税されるのか」との問いに対して、「どのような法律関係に基づき行われるものか、現時点では明らかでないので、お答えすることは困難である」と前置きした上で、「一般論として損害賠償金として支払われるものであっても、本来所得となるべきものや失った利益への賠償は非課税所得にはならない」との認識を明らかにした。
 補償の日時などは決まっていないものの、コインチェック社は被害当時にネムを所有していた約26万人全員に対して、1ネム=88.549円として、日本円で総額約460億円の全額を返金する方針を発表している。政府見解に照らし合わせるとネムを88.549円以下で取得した人は、補償の際に生じた差額が利益とみなされ、所得税を課されることになりそうだ。仮想通貨で得た利益については、昨年9月に国税庁が発表したタックスアンサーにより、原則として「雑所得」として課税されることが明らかとなっている。雑所得は他の所得と合算されて総合課税され、年をまたいでの損失繰越や、他の所得との損益通算ができない。
 コインチェック社の返金対応の方針に対しては、ネム保有者からも反発の声がある。2月15日には、被害者7人が日本円ではなく仮想通貨での返還を求めて、東京地裁に提訴した。流出問題を受けてネムの価格は3月1日現在で41.01円と大きく値下がりしているため、同社の示した88.549円で返金されたほうが利益は大きくなるが、「仮想通貨で取り戻したい人もいて、ニーズの問題だ」(原告側の弁護士)というように、保有者にとっては多額の納税が発生する可能性があるにもかかわらず選択の余地がないことが問題の本質と言えそうだ。だが当のコインチェック社はというと、事業継続の意思を示しているものの、営業を停止したまま再開のめども立たない状況が続いている。補償について詳しい時期や原資の説明もされていないため、「本当に返ってくるのか」という利用者の不安は募るばかりだ。

提供元:エヌピー通信社

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12月9日更新

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 不正アクセスなどによって流出した分の仮想通貨を日本円で補償された時に、取得時の価格より返金価格が高い時には、非課税である損害賠償金には当たらず、課税所得に含まれるとの見解を政府が示した。1月に約580億円の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出させたコインチェック社は、顧客に対して日本円で返金する方針を打ち出している。 政府が2月27日、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問に答えた。「コインチェック社が日本円で返金したとして、取得時の価格より上回っていた時には、差額が利益とみなされて課税されるのか」との問いに対して、「どのような法律関係に基づき行われるものか、現時点では明らかでないので、お答えすることは困難である」と前置きした上で、「一般論として損害賠償金として支払われるものであっても、本来所得となるべきものや失った利益への賠償は非課税所得にはならない」との認識を明らかにした。 補償の日時などは決まっていないものの、コインチェック社は被害当時にネムを所有していた約26万人全員に対して、1ネム=88.549円として、日本円で総額約460億円の全額を返金する方針を発表している。政府見解に照らし合わせるとネムを88.549円以下で取得した人は、補償の際に生じた差額が利益とみなされ、所得税を課されることになりそうだ。仮想通貨で得た利益については、昨年9月に国税庁が発表したタックスアンサーにより、原則として「雑所得」として課税されることが明らかとなっている。雑所得は他の所得と合算されて総合課税され、年をまたいでの損失繰越や、他の所得との損益通算ができない。 コインチェック社の返金対応の方針に対しては、ネム保有者からも反発の声がある。2月15日には、被害者7人が日本円ではなく仮想通貨での返還を求めて、東京地裁に提訴した。流出問題を受けてネムの価格は3月1日現在で41.01円と大きく値下がりしているため、同社の示した88.549円で返金されたほうが利益は大きくなるが、「仮想通貨で取り戻したい人もいて、ニーズの問題だ」(原告側の弁護士)というように、保有者にとっては多額の納税が発生する可能性があるにもかかわらず選択の余地がないことが問題の本質と言えそうだ。だが当のコインチェック社はというと、事業継続の意思を示しているものの、営業を停止したまま再開のめども立たない状況が続いている。補償について詳しい時期や原資の説明もされていないため、「本当に返ってくるのか」という利用者の不安は募るばかりだ。提供元:エヌピー通信社
2018.03.02 09:13:13