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外国法人の株式の保有者に外国子会社合算税制の適用があると認定

 外国子会社合算税制の適用対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額を、外国子会社作成の損益計算書、納税者作成の損益計算書のいずれで計算すべきかの判断が争われた事件で東京地裁(岩井伸晃裁判長)は、納税者作成の損益計算書は未処分所得の金額の計算において、選択的又は恣意的な計算をするものとの評価は免れないと認定、納税者側の主張を斥ける判決を言い渡した。

 この事件は、海外に本店がある外国法人の株式を有する者が、その外国法人がタックス・ヘイブン税制の特定外国子会社等に該当することから、課税対象留保金額相当額が雑所得と認定され、原処分庁から所得税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分を受けたため、納税者側が課税対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額の計算に誤りがあって決定処分等は違法であると主張、その取消しを求めて提訴したという事案である。

 つまり、外国子会社合算税制の課税対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額の計算を、外国子会社の損益計算書に基づいて行うべきか、納税者側が作成した損益計算書に基づいて行うべきかが争点になったわけだが、具体的には、船舶(油そう船)に係る減価償却費の金額の計算が二つの損益計算書で異なっていたため、いずれの損益計算書に記載された金額を基礎に行うべきかが問題になった事案である。

 判決はまず、外国子会社合算税制の趣旨等に触れ、その計算方法を検討した結果、納税者側が作成した損益計算書の記載内容は、税引前損益と法人所得税の金額が同一となるように逆算して減価償却費の金額を減額修正したものといえると認定。

 こうした損益計算書の内容は、我が国の法令の規定の例に準ずる計算の方法として採るべき計算方法に反するものであると指摘した上で、財政状態等を明らかにするため作成された外国子会社の損益計算書とは異質なものであるとも指摘。結局、外国子会社合算税制の適用対象留保金額が零となり、雑所得が生ずることはないとする納税者側の主張を全て斥けて、棄却した。

                (2017.01.31東京地裁判決、平成24年(行ウ)第809号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2月19日更新

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 外国子会社合算税制の適用対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額を、外国子会社作成の損益計算書、納税者作成の損益計算書のいずれで計算すべきかの判断が争われた事件で東京地裁(岩井伸晃裁判長)は、納税者作成の損益計算書は未処分所得の金額の計算において、選択的又は恣意的な計算をするものとの評価は免れないと認定、納税者側の主張を斥ける判決を言い渡した。 この事件は、海外に本店がある外国法人の株式を有する者が、その外国法人がタックス・ヘイブン税制の特定外国子会社等に該当することから、課税対象留保金額相当額が雑所得と認定され、原処分庁から所得税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分を受けたため、納税者側が課税対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額の計算に誤りがあって決定処分等は違法であると主張、その取消しを求めて提訴したという事案である。 つまり、外国子会社合算税制の課税対象留保金額の算定基礎となる未処分所得金額の計算を、外国子会社の損益計算書に基づいて行うべきか、納税者側が作成した損益計算書に基づいて行うべきかが争点になったわけだが、具体的には、船舶(油そう船)に係る減価償却費の金額の計算が二つの損益計算書で異なっていたため、いずれの損益計算書に記載された金額を基礎に行うべきかが問題になった事案である。 判決はまず、外国子会社合算税制の趣旨等に触れ、その計算方法を検討した結果、納税者側が作成した損益計算書の記載内容は、税引前損益と法人所得税の金額が同一となるように逆算して減価償却費の金額を減額修正したものといえると認定。 こうした損益計算書の内容は、我が国の法令の規定の例に準ずる計算の方法として採るべき計算方法に反するものであると指摘した上で、財政状態等を明らかにするため作成された外国子会社の損益計算書とは異質なものであるとも指摘。結局、外国子会社合算税制の適用対象留保金額が零となり、雑所得が生ずることはないとする納税者側の主張を全て斥けて、棄却した。                (2017.01.31東京地裁判決、平成24年(行ウ)第809号)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.07.05 18:27:01