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再々更正処分等の取消しの訴えを求める利益はないと却下

 更正処分の瑕疵を是正するための再更正及び再々更正処分が同じ日付けでされた場合に、更正処分の取消しを求めることに訴えの利益があるか否かが争われた事件で東京地裁(林俊之裁判長)は、再更正処分は更正処分によって課税された税額を超えて減額したものではなく、減額更正において申告額と同一の金額に減額することは更正処分に当たると解釈した上で、更正処分の取消しを求める訴えは失われていると判示して、却下した。

 この事件は、相続人が相続税の期限内申告をしたところ、原処分庁から相続税の更正及び重加算税の賦課決定処分を受け、かつ国税不服審判所からこれらに係る審査請求を却下する旨の裁決を受けたことから、相続人らが各更正処分のうち、相続人ら主張の納付すべき税額を超える部分及び各重加算税賦課決定処分の取消しを求めるとともに、裁決の取消しを求めて提訴した事案である。

 当初、異議申立てをしたものの、3ヵ月経過しても異議決定がされなかったため審査請求したところ、原処分庁が理由附記の不備を理由に、納付すべき税額を申告額と同額とする再更正処分及び重加算税を零円とする変更決定処分をしてきた。また、同日付けで、再々更正処分等として、納付すべき相続税額並びに重加算税額を更正処分等の額と同額とする再々更正処分及び重加算税の再賦課決定処分をしてきた。

 それに続いて、審判所もその後、審査請求を却下してきたことから、再々更正処分等の取消しを求めて異議申立て、審査請求をしたものの、やはり3ヵ月経過しても、異議決定、裁決ともされなかったため、提訴したというのが大まかなこの事件流れである。つまり、更正処分等の取消しを求める訴えの利益があるか否かが争点になった事案である。

 判決はまず、再更正処分等により生じた還付加算金は、所得税法上、雑所得に当たるため、課税対象となることは法の予定するところで不当なものではなく、還付加算金も相続税に充当されているのであるから、相続人らに不利益はないと指摘した。

 また、再更正処分等は、課税価格及び納付すべき相続税額を申告額と同額とするものであり、更正処分等によって課税された額を超えて減額したものではなく、減額更正において申告額と同一の金額にまで減額することは更正処分に当たるとも解釈。その結果、再更正処分等は更正処分としてされたものであるから、取消しを求める利益は失われており、不適法と判示して却下した。

                (2017.03.09東京地裁判決、平成28年(行ウ)第252号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2月6日更新

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2017.09.19 10:00:25