7月から6年ぶりに見直された文書回答手続等がスタート
国税庁はこのほど、事前照会への文書回答手続等の利便性向上のための事務運営指針の見直しを行った。文書回答手続等の見直しは6年ぶり。適用は7月1日以後に受け付ける照会に対する文書回答手続等から。
事前照会に対する文書回答手続等には、1)納税者の予測可能性の一層の向上に役立てるため、特定の納税者の個別事情に係る事前照会について、一定の要件に該当しない限り文書による回答を行う「事前照会に対する文書回答手続」、2)納税者の予測可能性の向上の観点からみて有用である等、国税当局が適当と考える場合に、同一の業種・業態に共通する取引等であって、事実認定を要しない同業者団体等からの照会について、一定の要件の下に一般的な回答を文書で行う「同業者団体等からの照会に対する文書回答手続」があり、年間で100件超の事前照会がある。
今回の見直しは、申告納税制度の下、納税に関する手続の簡素化や予測可能性の向上などによる納税者サービスの充実が求められていることを受けての措置。
主なものをみると、これまで照会者が会社の場合、照会文書への記名・押印は代表者に限定されていたものを、担当役員でも可能とすることで会社内での事務手続の負担や煩雑さを解消する。また、公表される照会内容の記載について事前に国税当局と相談できることを明らかにすることで、照会文書の内容が公表されることに抵抗感を持ち照会自体を行わないケースを減らし、安心して事前照会が利用できるようにする。
さらに、照会対象のうち「将来行う予定の取引等」の範囲の明確化が行われている。これまでも、例えば「認可申請予定の金融商品など近い将来販売を予定しているものに係る照会」といったものも照会できたが、利用者の中には対象外であるとの誤解が生じているケースが見受けられることから、事務運営指針にある“仮定の事実関係や複数の選択肢がある事実関係に基づくものではなく”との文言を削除している。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)