都が大規模建築物の固定資産評価方法で提言
東京都はこのほど、国(総務省)に対して大規模建築物の固定資産評価方法の見直しについての提言を行った。
現在の固定資産税評価方法は、昭和38年度に自治大臣が定めた評価基準を全ての建物に一律に適用されている。一方、近年増加傾向にある大規模建築物を現行の評価方法で評価する場合、1)約5万点の建築資材を確認して評価基準に当てはめるなど、評価が困難で複雑、2)通常、竣工から評価完了までに2年近くを要することから評価に時間がかかる、3)評価方法が納税者に分かりにくい、などの課題がある。
このため、東京都では平成28年に設置した「固定資産評価に関する検討会」において、簡素・迅速に評価でき、納税者に分かりやすく、現行の評価方法と同等な価格を求める「新たな評価方法」について検討を行っていた。
今回提言された「新たな評価方法」は、現行の家屋の評価方法(再建築価格方式)が、建物に使用されている資材の価格を、部分(主体構造部、基礎、屋根、外壁、建築設備等)ごとに積み上げていく方法であるのに対して、1棟の家屋の中で取得価額(工事原価)等を基に算出する方法と現行の評価方法を併用するもの。具体的には、「評価が困難で、長期間を要する部分」(建築設備)のみ取得価額(工事原価)を基に算出(取得価額活用方式)して、その他の部分は、現行の評価方法(部分別評価方式)で算出する。
東京都では、国との連携を図りながら、平成33年度からの評価方法の見直しを目指している。
提供元:21C・TFフォーラム