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支払った金員から時価及び為替差益等を控除した金員が取得価額に該当すると判示

 減価償却資産以外の固定資産であるプラチナを海外の関連会社から調達した場合の取得時期、取得価額の判断が争われた事件で東京地裁(岩井伸晃裁判長)は、基本契約に基づく買取選択権を行使して個別契約の相手方に金員を支払っている場合は、買取選択権の行使時にプラチナを取得し、支払った金員からその時価及び為替差益等を控除した金員がその取得価額に当たると判示して、法人側の請求を棄却した。

 この事件は、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造・販売を営む法人が、製造用のプラチナを調達するため、外国の関連会社と基本契約に基づく調達に関する個別契約を交わして引渡しを受けたことから、基本契約に基づく買取選択権を行使した時に対価を支払い、その支払額から個別契約開始時の時価及び両時点間の為替差益等を控除した金額を特別損失として計上、損金に算入して申告したのが発端となった。

 しかし原処分庁が、この特別損失の計上を否認して法人税の更正処分等をしてきたため、法人側がその取消しを求めて提訴したという事案である。つまり、プラチナの取得の意義及び時期、また特別損失計上額がプラチナの取得価額又は特別損失のいずれに当たるのかが争点になった事件である。

 判決はまず、法人税法上の固定資産の取得は固定資産の所有権移転の原因となる私法上の法律行為が取得に当たり、取得の時期は取得の原因行為による所有権移転の時期がこれに当たると解釈。その上で、減価償却資産以外の固定資産であるプラチナの調達に関する基本契約に基づいて調達に関する個別契約を締結して引渡しを受け、その基本契約に基づく買取選択権の行使時に個別契約の相手方に金員を支払った場合においては、法人税法上及び法人施行令上、買取選択権の行使時に個別契約に基づいてプラチナを取得したものとされ、支払った金員からプラチナの時価及び為替差益等を控除した金員が取得価額に当たると判示した。

 というのも、基本契約に基づく個別契約であるプラチナのリース契約の終了時又は解約時に買取選択権を行使するまでの間は、リース資産のプラチナについて、契約の相手方である貸主にリース料を支払い、第三者に対して担保権等の設定や転貸をすることができず、製造過程用の合金化以外は重要な加工・改良を行うこともできず、財産持分を有しないなど、使用収益の方法が大きく制限され、処分を禁止されているような一定の事情等が認定されたからだ。

 (2016.07.19東京地裁判決、平成25年(行ウ)第808号)

提供元:21C・TFフォーラム

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3月31日更新

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 減価償却資産以外の固定資産であるプラチナを海外の関連会社から調達した場合の取得時期、取得価額の判断が争われた事件で東京地裁(岩井伸晃裁判長)は、基本契約に基づく買取選択権を行使して個別契約の相手方に金員を支払っている場合は、買取選択権の行使時にプラチナを取得し、支払った金員からその時価及び為替差益等を控除した金員がその取得価額に当たると判示して、法人側の請求を棄却した。 この事件は、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造・販売を営む法人が、製造用のプラチナを調達するため、外国の関連会社と基本契約に基づく調達に関する個別契約を交わして引渡しを受けたことから、基本契約に基づく買取選択権を行使した時に対価を支払い、その支払額から個別契約開始時の時価及び両時点間の為替差益等を控除した金額を特別損失として計上、損金に算入して申告したのが発端となった。 しかし原処分庁が、この特別損失の計上を否認して法人税の更正処分等をしてきたため、法人側がその取消しを求めて提訴したという事案である。つまり、プラチナの取得の意義及び時期、また特別損失計上額がプラチナの取得価額又は特別損失のいずれに当たるのかが争点になった事件である。 判決はまず、法人税法上の固定資産の取得は固定資産の所有権移転の原因となる私法上の法律行為が取得に当たり、取得の時期は取得の原因行為による所有権移転の時期がこれに当たると解釈。その上で、減価償却資産以外の固定資産であるプラチナの調達に関する基本契約に基づいて調達に関する個別契約を締結して引渡しを受け、その基本契約に基づく買取選択権の行使時に個別契約の相手方に金員を支払った場合においては、法人税法上及び法人施行令上、買取選択権の行使時に個別契約に基づいてプラチナを取得したものとされ、支払った金員からプラチナの時価及び為替差益等を控除した金員が取得価額に当たると判示した。 というのも、基本契約に基づく個別契約であるプラチナのリース契約の終了時又は解約時に買取選択権を行使するまでの間は、リース資産のプラチナについて、契約の相手方である貸主にリース料を支払い、第三者に対して担保権等の設定や転貸をすることができず、製造過程用の合金化以外は重要な加工・改良を行うこともできず、財産持分を有しないなど、使用収益の方法が大きく制限され、処分を禁止されているような一定の事情等が認定されたからだ。 (2016.07.19東京地裁判決、平成25年(行ウ)第808号)
2017.04.25 12:41:40