令和４年税関の輸入差止件数、３年連続２万６千件超
財務省の発表によると、令和４年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は２万６９４２件で、前年比では▲４．７％減少したものの、３年連続で２万６千件を超え、高水準で推移していることが分かった。輸入差止点数は８８万２６４７点で同７．７％増と増加。１日平均で７３件、２４１８点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。輸入差止価額は、正規品であった場合の推計で約１８６億円にのぼる。
仕出国（地域）別にみると、輸入差止件数は、「中国」を仕出しとするものが２万４６１件（構成比７５．９％、前年比▲６．５％）で、引き続き高水準にある。次いで、「ベトナム」が２１３５件（前年比▲２９．６％）、「台湾」が１４２７件（同約７倍）。輸入差止点数でも、「中国」が６７万１１３３点（構成比７６．０％、同９．０％増）と、件数、点数ともに中国を仕出しとするものの構成比が依然高くなっている。
知的財産別にみると、輸入差止件数は、偽ブランド品などの「商標権侵害物品」が２万５７０５件（構成比９４．６％、前年比▲６．３％）と大半を占め、次いで、偽キャラクターグッズなどの「著作権侵害物品」が８４１（前年比２４．８％増）。輸入差止点数についても、「商標権侵害物品」が５４万８９７２点（同６２．２％、同▲１１．７％）と６割強を占め、次いで「著作権侵害物品」が１６万２８９６点（同６９．１％増）と大幅に増加した。
品目別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、財布やハンドバッグなどの「バッグ類」が構成比２８．１％と全体の約３割を占めて最も多く、次いで「衣類」が２１．７％、「靴類」が１３．３％、「携帯電話及び付属品」が７．５％をそれぞれ占めた。また、輸入差止点数では、「医薬品」が１６．８％を占めて最も多く、次いで、イヤホンなどの「電気製品」が１１．１％、「衣類」が８．６％、「煙草及び喫煙用具」が６．９％だった。
なお、輸送形態別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、郵便物が大半を占めており、「郵便物」が２万３７６５件（構成比８８．２％、前年比▲７．９％）と全体の９割弱を占めて最も多く、次いで「一般貨物」が３１７７件（同１１．８％、同２９．４％増）。また、輸入差止点数でも、「郵便物」が５３万３７７１点（同６０．５％、同５１．２％増）で最も多く、「一般貨物」が３４万８８７６点（同３９．５％、同▲２５．２％）で続いた。
「令和４年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」について
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
