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企業の無借金率は全国平均15.6%、コロナ前から低下

 東京商工リサーチが発表した「全国無借金企業調査」結果によると、新型コロナ感染拡大で先行きの不透明感が漂うなか、企業のキャッシュポジションを高める動きが加速し、無借金企業の比率が低下していることが分かった。同社が保有する財務データから、2020年9月期決算から同12月期決算の約2万社を前回調査(2019年9月実施)と比較。全国の無借金率は、コロナ前の24.4%から15.6%へと8.8ポイント低下した。

 産業別の無借金率は、「サービス業他」が24.8%でトップ。サービス業他は医療機関などが比率を押し上げ、前回調査(54.8%)に引き続き最も高かった。ただ、下落幅は最も大きく、30.0ポイント減少した。サービス業他には、飲食業や宿泊業、旅行業など新型コロナの直撃を受けた業種が多く含まれる。運転資金の確保に動くケースや、コロナ関連融資などで資金調達が従来に比べて容易となったことなども理由として考えられる。

 以下、「金融・保険業」(20.4%)、「情報通信業」(19.9%)、「建設業」(16.3%)が続き、「農・林・漁・鉱業」が最も低く7.5%だった。また、産業を細分化した業種別では、最多が「一般診療所」で304社(構成比9.2%)だった。一般診療所はクリニックなどの無床診療所や小規模の入院施設がある開業医が中心。また、7位の「歯科診療所」(99社)、10位の「病院」(63社)など、医療機関が上位に並んだ。

 前回調査と比較可能な1万4604社の借入状況を調査した結果、借入金の総額は前回調査から17.3%増加。借入金が「増加」したのは6989社(構成比47.8%)、「借入ゼロ→発生」を含めると増加は7453社で、全体の半数を占めた。「減少」は4551社(同31.1%)、「借入有り→ゼロ」を含めると4942社で、減少の構成比は33.8%。借入「増加」企業が「減少」の1.5倍を占め、資金需要が増したことがうかがえる。

 無借金経営は、企業の信用力を示すバロメーターの一つでもあるが、コロナ禍でその位置づけも大きく変わってきた。コロナ禍で業績不振から資金需要が生じたケースや、余剰資金を持ちながらも不測の事態に備えた防衛策で資金調達する企業も増えている。こうした事を背景に、無借金率の低下につながったようだ。無借金企業の動向も含めて、コロナ禍を通じた企業の借入金拡大の動きがどう作用するか、引き続き注視していく必要がある。

第2回 全国「無借金企業」調査について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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4月1日更新

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 東京商工リサーチが発表した「全国無借金企業調査」結果によると、新型コロナ感染拡大で先行きの不透明感が漂うなか、企業のキャッシュポジションを高める動きが加速し、無借金企業の比率が低下していることが分かった。同社が保有する財務データから、2020年9月期決算から同12月期決算の約2万社を前回調査(2019年9月実施)と比較。全国の無借金率は、コロナ前の24.4%から15.6%へと8.8ポイント低下した。 産業別の無借金率は、「サービス業他」が24.8%でトップ。サービス業他は医療機関などが比率を押し上げ、前回調査(54.8%)に引き続き最も高かった。ただ、下落幅は最も大きく、30.0ポイント減少した。サービス業他には、飲食業や宿泊業、旅行業など新型コロナの直撃を受けた業種が多く含まれる。運転資金の確保に動くケースや、コロナ関連融資などで資金調達が従来に比べて容易となったことなども理由として考えられる。 以下、「金融・保険業」(20.4%)、「情報通信業」(19.9%)、「建設業」(16.3%)が続き、「農・林・漁・鉱業」が最も低く7.5%だった。また、産業を細分化した業種別では、最多が「一般診療所」で304社(構成比9.2%)だった。一般診療所はクリニックなどの無床診療所や小規模の入院施設がある開業医が中心。また、7位の「歯科診療所」(99社)、10位の「病院」(63社)など、医療機関が上位に並んだ。 前回調査と比較可能な1万4604社の借入状況を調査した結果、借入金の総額は前回調査から17.3%増加。借入金が「増加」したのは6989社(構成比47.8%)、「借入ゼロ→発生」を含めると増加は7453社で、全体の半数を占めた。「減少」は4551社(同31.1%)、「借入有り→ゼロ」を含めると4942社で、減少の構成比は33.8%。借入「増加」企業が「減少」の1.5倍を占め、資金需要が増したことがうかがえる。 無借金経営は、企業の信用力を示すバロメーターの一つでもあるが、コロナ禍でその位置づけも大きく変わってきた。コロナ禍で業績不振から資金需要が生じたケースや、余剰資金を持ちながらも不測の事態に備えた防衛策で資金調達する企業も増えている。こうした事を背景に、無借金率の低下につながったようだ。無借金企業の動向も含めて、コロナ禍を通じた企業の借入金拡大の動きがどう作用するか、引き続き注視していく必要がある。
2021.04.06 17:37:21