２９年度創業融資実績、進む民間金融機関との連携
日本政策金融公庫は、平成２９年度の創業融資実績（創業前及び創業１年以内）は２万８１１６先（前年度比１．０％減）と前年度の実績を維持したと発表した。２９年度実績の特徴としては、創業融資での民間金融機関との協調融資の実績が３６３０先（同２０．２％増）と大きく増加していることを挙げている。協調融資とは、同一目的の資金計画に対し、日本公庫と民間金融機関が協議を経た上で、両社が融資（保証）を実行又は決定したもの。
協調融資の実績が大きく増加したのは、民間金融機関による創業向け融資が活発化していることに加え、創業分野における民間金融機関と日本公庫の連携が進んでいるためとみている。民間金融機関との協調融資実績の推移をみると、平成２７年度が２３３２先、前年度比６２．４％増、２８年度が３０２１先、同２９．５％増、そして２９年度が３６３０先、２０．２％増と年々増加している。
また、性別・年齢別の平成２９年度の創業融資実績は、女性（前年度比３．０％減）、女性・若年層以外（同１．３％減）が減少の一方で、３５歳未満の若年層（同１．４％増）は唯一増加している。業種別にみると、「小売業」や「情報通信業」が伸びており、これは、昨今のネット通販市場の拡大に伴い、ＩＴスキルの高い若者によるネットショップの創業やインターネット関連サービス業の創業が増えているためとみている。
日本公庫は、今後も創業に関する電話相談に専門スタッフが対応する「創業ホットライン」、女性や若者を主な対象として専門スタッフが相談に対応する「女性、若者向け創業相談ウィーク」の開催、各種事例集の発行などの施策を推進するという。なお、創業ホットラインは、全国のビジネスサポートプラザに所属する創業支援の専門スタッフ等が創業計画の策定など、創業に関する様々な相談に直接対応するフリーダイヤルのサービスだ。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
