18年度賃上げ予定、大企業89.4%、中小企業85.6%
東京商工リサーチが発表した「2018年度賃上げ見通し、労働環境の改善に関する調査」結果(有効回答数7151社)によると、2018年度の賃上げについて、「実施予定」と回答した企業は86.1%だった。「賃上げ」の内訳は、「定期昇給のみ」が33.1%、次いで、「定期昇給+賞与増額」が15.4%だった。規模別では、大企業が89.4%だった一方、中小企業は85.6%で、3.8ポイントの開きがあった。
賃上げを実施予定とする企業の定期昇給幅(月額)は、最多が「5000円以上1万円未満」の29.8%で約3割を占めた。次いで、「3000円以上4000円未満」が24.7%、「2000円以上3000円未満」が16.3%。2000円以上の回答は86.5%と9割弱だった。規模別では、大企業は「5000円以上」が31.5%に対し、中小企業は37.9%だった。中央値は大企業も中小企業も3000円。
ベースアップ幅(月額)は、最多が「5000円以上1万円未満」の24.3%、次いで、「3000円以上4000円未満」が20.3%、「2000円以上3000円未満」の19.7%と続く。「1万円以上」も13.3%あった一方で、「1000円未満」は3.8%と、ベースアップの引上げに対する苦渋の判断が透けて見える。規模別では、大企業で5000円以上のベースアップ予定は24.5%に対し、中小企業は39.3%で14.8ポイント上回り、中小企業の賃上げに取り組む強い姿勢を反映しているようだ。
賃上げを実施する理由(複数回答)については、最多が「従業員引き留め」で74.7%、次いで、「従業員採用」(31.4%)、「業績回復」(26.4%)が続く。規模別では、大企業は「従業員引き留め」が65.9%に対し、中小企業では76.1%と、中小企業が10.2ポイント上回った。「最低賃金の改定」は、大企業の4.3%に対し、中小企業は7.2%と、最低賃金のアップによる「人材確保」への中小企業の強い姿勢がうかがえる。
賃上げによる社員1人当たりの会社の経費負担は、最多が「5万円未満」で48.8%。一方で、「50万円以上」も7.7%あった。規模別では、大企業は「5万円未満」が58.6%で、中小企業を11.4ポイント上回った。しかし、中小企業は「10万円以上20万円未満」が17.5%で、大企業を3.7ポイント上回った。「50万円以上」も中小企業は8.1%で、大企業を3ポイント上回り、中小企業の資金負担が重い結果となった。
2018年度「賃上げ見通し」、「労働環境の改善」に関するアンケート調査 について
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)