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1都3県の本社移転企業、7年連続の転入超過

 帝国データバンクがこのほど発表した「1都3県・本社移転企業調査」結果によると、2017年に1都3県(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)へ転入した企業は289社(前年310社)判明し、2年連続での前年比減少となった。一方、2017年に1都3県から転出した企業は279社(同217社)判明し、2014年以来3年ぶりに前年を上回った。この結果、1都3県の企業転入・転出状況は10社の転入超過となった。

 また、2011年以降7年連続での転入超過となり、戦後最長の景気回復期間である「いざなみ景気」下での転入超過(2003年~08年)を上回った。近年は、地方へ企業の本社移転を後押しする政府や自治体による税優遇措置などの制度が拡充。これらを活用し、首都圏から地方への本社移転の実施・検討を行う企業も出てきており、首都圏での本社移転をめぐる状況に変化の兆しが見られる。

 2017年に1都3県へ移転した企業の転入元は40道府県判明。このうち「大阪府」が67社(構成比23.2%)で最多。以下、「愛知県」(25社)、「茨城県」(17社)、「静岡県」、「兵庫県」(16社)などが上位となった。また、「福島県」(11社)は、前年の15位から9位となった。一方、2017年に1都3県から移転した企業の転出先は37道府県判明し、「茨城県」が40社(構成比14.3%)で最多となった。

 以下、「大阪府」(39社)、「愛知県」(22社)、「福岡県」(18社)などが上位となった。総じて、大都市や首都圏とのアクセスが良好な府県へ移転する企業が多数を占めた。また、転出先では「福岡県」は16位から4位に、「京都府」(10社)は14位から8位に、それぞれ大幅に順位を上昇させるなど、地方都市への移転も多くみられた。

 調査の結果、高速道路や新幹線路線の開通などにより、近年首都圏からのアクセスが一段と向上した北関東地方を中心に、1都3県から転出した企業が3年ぶりに前年比増加したことが判明した。こうした地域では、首都圏と比べてより広い本社・工場用地を確保できるメリットのほか、政府や地方自治体による積極的な減税措置といった優遇政策も、地方への本社移転に踏み切る動機付けとなったとみられている。

1都3県・本社移転企業調査(2017年)について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 帝国データバンクがこのほど発表した「1都3県・本社移転企業調査」結果によると、2017年に1都3県(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)へ転入した企業は289社(前年310社)判明し、2年連続での前年比減少となった。一方、2017年に1都3県から転出した企業は279社(同217社)判明し、2014年以来3年ぶりに前年を上回った。この結果、1都3県の企業転入・転出状況は10社の転入超過となった。 また、2011年以降7年連続での転入超過となり、戦後最長の景気回復期間である「いざなみ景気」下での転入超過(2003年~08年)を上回った。近年は、地方へ企業の本社移転を後押しする政府や自治体による税優遇措置などの制度が拡充。これらを活用し、首都圏から地方への本社移転の実施・検討を行う企業も出てきており、首都圏での本社移転をめぐる状況に変化の兆しが見られる。 2017年に1都3県へ移転した企業の転入元は40道府県判明。このうち「大阪府」が67社(構成比23.2%)で最多。以下、「愛知県」(25社)、「茨城県」(17社)、「静岡県」、「兵庫県」(16社)などが上位となった。また、「福島県」(11社)は、前年の15位から9位となった。一方、2017年に1都3県から移転した企業の転出先は37道府県判明し、「茨城県」が40社(構成比14.3%)で最多となった。 以下、「大阪府」(39社)、「愛知県」(22社)、「福岡県」(18社)などが上位となった。総じて、大都市や首都圏とのアクセスが良好な府県へ移転する企業が多数を占めた。また、転出先では「福岡県」は16位から4位に、「京都府」(10社)は14位から8位に、それぞれ大幅に順位を上昇させるなど、地方都市への移転も多くみられた。 調査の結果、高速道路や新幹線路線の開通などにより、近年首都圏からのアクセスが一段と向上した北関東地方を中心に、1都3県から転出した企業が3年ぶりに前年比増加したことが判明した。こうした地域では、首都圏と比べてより広い本社・工場用地を確保できるメリットのほか、政府や地方自治体による積極的な減税措置といった優遇政策も、地方への本社移転に踏み切る動機付けとなったとみられている。
2018.03.22 09:26:26