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平成28年度末の財形貯蓄の契約件数は803万件

 厚生労働省が3日に公表した平成28年度「勤労者財産形成促進制度」(財形制度)の実施状況によると、平成28年度末時点での財形貯蓄の契約件数は803万件(対前年度末比2.4%減)、残高は15兆9400億円(同0.3%減)だったことが明らかになった。また、財形持家融資の貸付決定件数は696件(同6.7%減)、貸付決定金額は128億円(同0.3%減)で、いずれも前年度に比べ減少している。

 財形制度は、勤労者が豊かで安定した生活を送るための資産形成を、事業主や国が支援する制度。事業主が勤労者の給与から一定額の給与天引きを行い、金融機関(銀行、証券、生保、損保等)に積み立てていき、60歳以上の年金支払いを目的とする「財形貯蓄制度」と、財形貯蓄を行っている勤労者へ、自宅の購入などに必要な資金を融資する「財形持家融資制度」からなる。

 財形貯蓄制度は、勤労者が給与からの天引きにより、銀行や証券、生保、損保などの財形貯蓄取扱金融機関に長期間にわたって定期的に貯蓄するもので、1)使途を制限しない「一般財形貯蓄」、2)60歳以上の年金支払を目的とする「財形年金貯蓄」、3)住宅の取得、増改築等を目的とする「財形住宅貯蓄」とがある。年齢要件はないが、貯蓄開始は55歳未満とされている。

 貯蓄上のメリットとして、勤労者は、1)財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄合わせて元利合計550万円(財形年金貯蓄のうち、生命保険、損害保険等の契約は、払込ベースで385万円)から生ずる利子等が非課税、2)財形年金貯蓄については、年金の支払が終るまで非課税措置が継続され、老後生活の安定に役立つ、3)賃金からの控除(天引)だから直接銀行などへ出かける手間がはぶけ、知らず知らずに財産づくりができる、などが挙げられる。

 また、財形持家融資制度は、財形貯蓄を1年以上行っている勤労者に対して、住宅の建設・購入または改良のための資金を融資する制度で、(独)勤労者退職金共済機構等が財形貯蓄取扱機関から資金を調達(財形貯蓄総残高の1/3が限度)して融資する。融資限度額は財形貯蓄残高の10倍(最高4000万円)、貸付金利(5年間固定)は年0.71%(29年7月1日現在)、 償還期間は35年以内となっている。

この件について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 厚生労働省が3日に公表した平成28年度「勤労者財産形成促進制度」(財形制度)の実施状況によると、平成28年度末時点での財形貯蓄の契約件数は803万件(対前年度末比2.4%減)、残高は15兆9400億円(同0.3%減)だったことが明らかになった。また、財形持家融資の貸付決定件数は696件(同6.7%減)、貸付決定金額は128億円(同0.3%減)で、いずれも前年度に比べ減少している。 財形制度は、勤労者が豊かで安定した生活を送るための資産形成を、事業主や国が支援する制度。事業主が勤労者の給与から一定額の給与天引きを行い、金融機関(銀行、証券、生保、損保等)に積み立てていき、60歳以上の年金支払いを目的とする「財形貯蓄制度」と、財形貯蓄を行っている勤労者へ、自宅の購入などに必要な資金を融資する「財形持家融資制度」からなる。 財形貯蓄制度は、勤労者が給与からの天引きにより、銀行や証券、生保、損保などの財形貯蓄取扱金融機関に長期間にわたって定期的に貯蓄するもので、1)使途を制限しない「一般財形貯蓄」、2)60歳以上の年金支払を目的とする「財形年金貯蓄」、3)住宅の取得、増改築等を目的とする「財形住宅貯蓄」とがある。年齢要件はないが、貯蓄開始は55歳未満とされている。 貯蓄上のメリットとして、勤労者は、1)財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄合わせて元利合計550万円(財形年金貯蓄のうち、生命保険、損害保険等の契約は、払込ベースで385万円)から生ずる利子等が非課税、2)財形年金貯蓄については、年金の支払が終るまで非課税措置が継続され、老後生活の安定に役立つ、3)賃金からの控除(天引)だから直接銀行などへ出かける手間がはぶけ、知らず知らずに財産づくりができる、などが挙げられる。  また、財形持家融資制度は、財形貯蓄を1年以上行っている勤労者に対して、住宅の建設・購入または改良のための資金を融資する制度で、(独)勤労者退職金共済機構等が財形貯蓄取扱機関から資金を調達(財形貯蓄総残高の1/3が限度)して融資する。融資限度額は財形貯蓄残高の10倍(最高4000万円)、貸付金利(5年間固定)は年0.71%(29年7月1日現在)、 償還期間は35年以内となっている。
2017.07.05 09:44:48