テレワークの推進②
テレワーク導入のポイント
あゆみ:私にはハードルが高いテレワークの導入って話だけど、何から手をつければいいかわからないわ。
ケン:テレワーク導入にあたっては、労務管理、情報通信システム、在宅勤務時の執務環境の3つの側面から必要事項を検討することが大切です。
あゆみ:なるほどね。
まずこの3つの部分をそれぞれ考えていけばいいわけね。
ケン:はい。
労務管理については、時間管理の方法や評価制度、労働災害について検討する必要があります。
情報通信システムについては、情報セキュリティに配慮したシステムの導入を検討する必要があります。
在宅勤務時の執務環境については、在宅勤務時の通信環境、光熱費などに経費負担、従業員の健康に配慮した環境になっていることを検討する必要があります。
労務管理方法の検討
あゆみ:時間管理はどうすればいいの?
ケン:テレワークにおける時間管理については、通常の労働時間制、事業場外みなし労働時間制、裁量労働制のいずれも選択可能です。
テレワークの場合、基本的に本社のサーバーへアクセスしないとできない仕事がほとんどですからサーバーにアクセスしている時間で管理できます。
あゆみ:でもさ、一人で仕事していると仕事していると見せかけて遊んでいる人もいるんじゃない?
ケン:よく耳にするお話ですね。
仕事の早い、遅いは人によってあるかもしれませんが、与えた仕事をどれだけの時間でこなしているかも評価の判断材料になるかと思います。
そういった意味でもフルタイム在宅勤務の場合には評価制度を変える必要があるかもしれません。
あゆみ:ほかに気を付けることはある?
ケン:労働災害の場合です。
在宅勤務の場合において私的原因であるものは労働災害とはならないのはもちろんですが、業務に起因するものは労働災害の対象となりえます。
情報通信システムの検討
あゆみ:情報通信システムが一番重要だと思うんだけど、何をどうすればいいの
ケン:基本的には本社のサーバーに外からアクセスできるシステムを導入します。
このICT(情報通信技術)環境には主に次の3つのパターンがあります。
① VPN(Virtual Private Network)システムを利用する
② シンクライアントPCとシンクライアントサーバーを利用する
③ 認証用USBキーを用い、仮想シンクライアント環境を構築する
私の知る限り、①のVPNシステムを利用している企業が多いように思います。
公的機関は③の認証用USBの利用が多いように思います。
いずれもセキュリティはある程度確保されています。
あゆみ:どれが一番おすすめ?
ケン:どれもセキュリティという面ではある程度確保されていますし、コスト面では①のVPNシステムもしくは③の認証用USBの利用が低額と言われています。
あゆみ:在宅勤務の場合には個人宅のインターネット通信をそのまま利用するわけでしょ?そこに会社として負担はしなくていいの?
ケン:個人で追加費用が発生しない場合には、負担しない企業がほとんどのようです。
あゆみ:何か緊急に伝えたいときはやっぱり携帯電話に電話するの?
ケン:ほとんどの企業でテレビ会議システムやWeb会議システムなどのアプリを利用していますね。
会議でも利用できますし、個人間の通話でも利用できます。
その通話中に資料の共有もできます。
あゆみ:じゃ、携帯電話はどうすればいいかな?
ケン:会社で支給する、個人の携帯電話の請求先を会社と個人に分ける、PCなどでアプリを利用するなどの方法が考えられます。
在宅勤務の際の執務環境
あゆみ:最後に仕事する環境よね。
ケン:在宅勤務の場合には、プライバシーに配慮しつつ作業環境に関するルール作りが必要です。特に会議などの際は自宅が丸見えになることがあります。
また、作業する机やいすを提供するか、照明や空調なども検討する必要があります。
あゆみ:テレワークの場合、その人と会わないからどういう感じで仕事してるのかなってなるのが心配のタネ。
ケン:健康面は特に注意しなければいけませんね。
テレワークはPCでの作業が主になりますから、テレワークをする従業員の作業環境には会社としても留意する必要があります。
あゆみ:大体分かってきたわ。
最初はハードルが高いと思っていたけど、システムはどうすればいいか理解できたし、テレワークする従業員の環境をどうすればいいかもわかったわ。
頑張ってやってみる。