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SDGsは、これからの経営に必須なもの!!

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 6月27日に、SDGs のフロントランナーである実務家、研究者、経営者、コンサルタントが集結した専門家集団「一般社団法人SDGs・ESG 経営コンソーシアム(略称:BOAF)」と私ども上坂会計グループが共催で『中小企業が考えなければいけない【SDGs経営】とは?』というセミナーを福井商工会議所の会場とオンライン配信のハイブリッドで開催しました。
 会場で約20名、オンラインで約140名の方に受講していただきました。今回の申込状況を見て、皆さんのSDGsに対する関心の高さを再認識しました。
 恐らく、SDGsという言葉は聞いたことがある、また、自社の経営に取り入れていかなければいけないことはわかっているけれど、いまいち、何から始めれば良いのかがわからない、SDGsの取り組みを実施することで、経営に対して何のメリットがあるのかがわからない。きっと皆さんそのような想いがあり、今回のセミナーにお申込みいただいたのではと思います。

そもそもSDGsとは?

 SDGs(Sustainable Development Goals)、日本語に訳すと、「持続可能な開発目標」となります。なぜ、この目標が重要になっているかというと、いわゆるVUCAの時代、例えば、気候変動による自然災害発生の頻発や新型コロナウイルスの蔓延など、不確実性が高まる時代になっているからです。そんな中、企業は経営のパーパスを見直し、社会課題の解決に貢献しつつ、新たな価値を提供し、生き延びていくことが求められています。
 今まではお客様の課題を見つけ、その課題を解決することでお客様からお金をいただいていました。この構図に変化はないのですが、これからは、社会課題を見つけ、それをパーパスにプラスすることが必要とされてきているのです。

企業の目的は、存続すること

 私は何十年も前から、「経営の目的は永続性」だと、多くの経営者の方々にお話してきました。、お客様にとって最重要なことは、皆さんの企業がそこにあり続けることであり、無くなることが最大のリスクであるからだと申し上げてきました。
 「あなたの会社がなくなったら、泣いてくれる人はいますか?」
 こんな問いを何度も発してきました。そして2015年に「Sustainable」というキーワードが登場し、「持続可能性」という言葉が頻繁に使われるようになりました。これこそ、私が言い続けていた「永続性」なのです。

永続(Sustainable)するためには何が必要か

 では、企業が永続するためには、何が必要なのか?それは、以下の3つです。
  ①社会性
  ②教育性
  ③収益性
 社会性とは、自社が何のために存在するのかという「パーパス」です。ここにSDGsの考え方を導入しなければ企業は生き残っていけなくなっています。それから教育性は「人材育成」です。そして収益性は「利益を出し続ける事業体にすること」です。この3つが揃うことで企業は永続します。
 もともと、私は、順番としては、
  ①収益性
  ②教育性
  ③社会性
 と申し上げてきました。まずは利益をあげる事業体にすることだと。しかし、今の世の中の時流はそれだけの企業だと、その企業が生産販売している商品やサービスを選んでいただけなくなっています。従って、「Sustainable」を達成し続けていくためには、現在は「社会性」つまりSDGsの思考をいれたパーパスが必要なのだと思います。

なぜ、経営者が1歩ふみだせないのか?

 1992年6月のブラジル、リオ・デ・ジャネイロで開催された環境と開発に関する国連会議(環境サミット)で、若干12歳のセヴァン•スズキさんが世界中から集まった指導者たちの前でスピーチを行いました。このスピーチは「世界を5分間沈黙させた少女」と言われ、伝説のスピーチと言われています。Youtubeにもアップされているので是非一度視ていただきたい。今から約30年前のスピーチです。

国連広報センター (UNIC Tokyo)
 そのスピーチ中で、以下のような下りがあります。

 「学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、
 世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、

 争いをしないこと
 話しあいで解決すること
 他人を尊重すること
 ちらかしたら自分でかたづけること
 ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
 分かちあうこと
 そして欲ばらないこと

 ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか。

 なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。

 そしていったい誰のためにやっているのか。 それはあなたがたの子ども、つまり
 私たちのためです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち
 生きていくのかを決めているんです」

 私はこのスピーチを聞いたときに心が震えました。同時にいったい私たちはこの30年間何をしてきたのだろうと思いました。しかし、この30年間を否定することはしたくないし、してはならないと思いますが、このスピーチを聞き、これからのことをどうしていくかということは私たち大人にかかっているという想いが強くなりました。

 なぜ、できないのか?しないのか?それは、経営者の「地球」、「SDGs」に対する意識不足だと思います。私たちの子供たち、そして、これからの将来を託していく子供達のために、私たち1人1人が立ち上がるべきと思います。何か1つでもできることから行動していくことが必要ではないでしょうか?

 日本の経営は、昔から「三方良し」と言われ、「売り手良し、買い手良し、世間良し」と言われています。また、あの二宮尊徳は、「道徳経済一元論」を説き、道徳の重要性を説きました。
 「世間良し」の道徳こそ、SDGsそのものではないでしょうか?

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執筆者情報

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上坂 朋宏

社名 税理士法人上坂会計
部署名 なし

紹介文・経歴
同志社大学商学部卒業後、公認会計士の試験に合格。太田昭和監査法人(現 新日本監査法人)を経て上坂公認会計士事務所を開業し、1991年(株)上坂経営センターを設立。現在7社からなる上坂会計グループの代表。「経営は人間学である」をモットーに多くの経営者の指導にあたり、経営塾である鳥瞰塾、育志塾を主宰。

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2023.07.19 15:17:42