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知って得するセキュリティのはなし  その192

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パスワード管理サービス「LastPass」、不正アクセスで暗号化状態のパスワード等が流出

1.このニュースをザックリ言うと

- 12月22日(現地時間)、パスワード管理サービスLastPassより、8月および12月1日に発生した不正アクセスにより、暗号化されたパスワードを含むユーザーのデータが奪取されていたと発表されました。
- 同社では8月に不正アクセスを受けた時点でその旨を発表しており、その際にはソースコードや技術情報の一部が流出し、ユーザーに関連する情報の流出はなかったとしていました。
- しかしこの時点で流出した情報をもとに12月に再び不正アクセスが発生し、ユーザーの個人情報と、ユーザーが保存したパスワードが暗号化したデータが奪取されたことが今回発表されています。
- なお暗号化されたパスワードデータは、ユーザーが入力するマスターパスワードを基にした鍵で保護されているとのことです。

2.執筆者からの所感等

- LastPassはオンライン上でパスワードを管理するサービスとしてもっとも著名なものの一つであり、これまでも度々攻撃者からターゲットとされていました。
- 攻撃者は8月の不正アクセスで得た情報をもとにLastPass従業員のアカウントを奪取し、バックアップデータが保存されたクラウドストレージにアクセスしたとみられ、本番環境は影響を受けていないとのことです。
- マスターパスワードが、他のWebサービス等と共有していない、十分に強力なパスワードである限りは、暗号化が解除される可能性は低いですが、LastPassではマスターパスワードを聞き出すフィッシングの可能性に注意を呼び掛けています。
- LastPassと同様のサービスとしてBitWardenや1password等が知られており、またサービスが所有するサーバーにデータを保存することが心もとないのであれば、ローカル上にのみ、あるいは自分が契約したクラウドストレージ上にパスワードを保存できるツールとしてKeePass等がありますが、暗号化したデータが万が一奪取された場合を考え、マスターパスワードだけは決して簡単な文字列を使わないよう留意が必要です。

執筆者情報

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株式会社アルテミス

株式会社アルテミスは、1995年(平成7年)に設立以来、情報通信および情報セキュリティという事業領域において、お客様ニーズに合わせてワンストップにて各種ソリューションを提供しています。
自社製品として情報セキュリティ関連の各種シリーズをリリース、そのほか、ネットワークセキュリティの分野では、疑似侵入診断サービス、Webアプリケーション診断サービスなどによるネットワークの脆弱性診断などを展開するなど、官公庁・金融機関・一部上場企業を初めとする大手・中堅企業から中小企業に至るまで、多くの企業がセキュアなシステムを構築するための支援を首尾一貫して提供しています。
特に50名以下の管理者がいない法人(SMB)法人に対してセキュリティ+マネージドサービスを提供しています。
SMB市場でのセキュリティ機器&サービスは、提案、購入するだけでは、エンサービスドユーザへの『真の導入には至らない』ため、システム管理者が不在でも、機器の運用、の運用、 IT機器の活用方法、トラブル対応、リスク対応などを標準化した商品を提供しています。

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- 12月22日(現地時間)、パスワード管理サービスLastPassより、8月および12月1日に発生した不正アクセスにより、暗号化されたパスワードを含むユーザーのデータが奪取されていたと発表されました。- 同社では8月に不正アクセスを受けた時点でその旨を発表しており、その際にはソースコードや技術情報の一部が流出し、ユーザーに関連する情報の流出はなかったとしていました。- しかしこの時点で流出した情報をもとに12月に再び不正アクセスが発生し、ユーザーの個人情報と、ユーザーが保存したパスワードが暗号化したデータが奪取されたことが今回発表されています。- なお暗号化されたパスワードデータは、ユーザーが入力するマスターパスワードを基にした鍵で保護されているとのことです。
2023.01.11 16:13:14