新しい資本主義と総合経済対策(補助金拡充延長!)
新しい資本主義
2022年6月7日に、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定されました。
この「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」においては、人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX・DXへの重点投資を官民連携の下で推進するとともに、資産所得の倍増、経済社会の多極集中化、社会的課題を解決する経済社会システムの構築等に取り組むこととされています。
政府では、10月中に総合経済対策を取りまとめる方向となっていて、この「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の決定事項のうち、早期に実施する必要がある重点事項を総合経済対策に反映していくようです。
具体的な項目とは?
具体的に、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」のうち、総合経済対策に反映される予定の重点事項の一部は下記となります。
1.人への投資と分配(労働移動円滑化、リスキリング、構造的な賃金引上げ)
(1)持続的な成長と分配の好循環を達成し、また内閣の掲げる新しい資本主義を実現し、そして、分厚い中間層を形成していくためには、短期・中長期にわたる賃上げが不可欠。
短期においては、コストプッシュ型で物価が上昇しているので、政府としては、物価上昇率をカバーする賃上げを来春の賃金交渉において目標にして労使で議論いただきたい。
同時に、中長期の構造的な賃金引上げを進めていくために、あわせて労働市場の改革を進めていく。
(2)すなわち、(イ)労働者に成長性のある新たな企業・産業への転職の機会を与える、企業間・産業間の失業なき労働移動の円滑化、(ロ)他の企業・産業でも通用するスキルの高い人材を育てるリスキリングのための人への投資、(ハ)そしてこれらを背景にして労働生産性を上昇させることによる構造的な賃金引上げの3つ子の課題を同時解決する。
(3)そのために、リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や年功制の職能給から日本に合った職務給への移行など、企業間・産業間での労働移動円滑化に向けた指針を来年6月までに取りまとめる。
(4)あわせて、国民一人一人の生活水準を引き上げるため、我が国個人の金融資産の半分以上が現金・預金で保有されているという現状を改善し、持続的な企業価値向上の恩恵が家計にも及ぶという好循環を作り上げるため、資産所得倍増を実現する。
2.スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進
(1)スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵である。
このため、5年10倍増を視野に5か年計画を本年末に策定する。
(2)既存企業がスタートアップ等と連携するオープンイノベーションを後押しするために、経営不振の事業から撤退し、経営資源を成長性、収益性の見込める事業に投入して、新陳代謝を進める。
3.科学技術・イノベーションへの投資
我が国においては、研究開発投資額の伸び率が他の先進国に比して低い。
官が明確な国家戦略を示すことで、将来の成長期待を民間が共有できる等、新たな官民連携により、研究開発投資を活発化させ、社会的な投資効果を最大化する必要がある。
4.資産所得の倍増
(1)我が国個人の金融資産2,000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている。
家計が豊かになるために家計の預金が投資にも向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る必要がある。
(2)本年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定する。
詳細はこちらです。
事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金・事業承継引継ぎ補助金
上記詳細に、下記の記載がありました。
○中小企業の事業再構築補助金・生産性革命4補助金について、賃上げを条件とした補助金の抜本的拡充を図る。
上記の生産性革命4補助金とは、下記となります。
・ものづくり補助金
・IT導入補助金
・持続化補助金
・事業承継引継ぎ補助金
つまり、「事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金・事業承継引継ぎ補助金」の5つの補助金について、来年以後の継続と、更なる拡充が予定されています。
総合経済対策の中身はまだまだ明らかになっていないのが現状ですので、今後特に中小企業に影響の大きそうな項目を中心に、随時最新情報をお伝え出来ればと思います。
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