中小企業にも影響【4月から変わること】
4月改正事項
毎年4月は、社会や経済面で様々な改正が行われますが、中小企業に影響がある項目としては主に下記となります。
・民法改正「成年年齢が20歳から18歳へ引下げ」
・個人情報保護法改正「本人の権利保護・事業者責務の強化」
・育児・介護休業法改正「柔軟な育児休業取得のための法整備」
・労働施策総合推進法改正「中小企業でもパワハラ防止措置義務化」
・女性活躍推進法改正「行動計画策定・公表義務の対象範囲拡大」
この中でも特に、最初の民法改正の影響が大きいと思いますので、改正の意味と、なぜ今改正なのかを法務省の資料を参考に記します。
成年年齢が18歳に!
2018年6月に、民法の定める成年年齢を18歳に引き下げること等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が成立しました。
改正法は、2022年4月1日から施行されます。
民法が定める成年年齢には、
1.一人で有効な契約をすることができる年齢という意味と、
2.父母の親権に服さなくなる年齢という意味があります。
未成年者が契約を締結するには父母の同意が必要であり、同意なくして締結した契約は、後から取り消すことができます。
また、父母は、未成年者の監護及び教育をする義務を負います。
民法が定める成年年齢を18歳に引き下げると、18歳に達した者は、一人で有効な契約をすることができ、また、父母の親権に服さなくなることとなります。
また、改正法では、女性の婚姻開始年齢についても見直しをしています。
婚姻開始年齢は現在、男性18歳、女性16歳とされていますが、女性の婚姻開始年齢を18歳に引き上げ、男女とも18歳にならなければ結婚することができないこととしています。
なぜ今改正が必要なのか?
我が国における成年年齢は、明治9年以来、20歳とされていました。
近年、憲法改正国民投票の投票権年齢や公職選挙法の選挙権年齢などが18歳と定められるなど、18歳、19歳の方にも国政上の重要な事項の判断に参加してもらうための政策が進められてきました。
こうした流れを踏まえ、市民生活に関する基本法である民法においても、18歳以上の人を大人として取り扱うのが適当ではないかという議論がされるようになりました。
世界的にも、成年年齢を18歳とするのが主流です。
このようなことから、今回、成年年齢が18歳に引き下げられることとなりました。
成年年齢を18歳に引き下げることは、18歳、19歳の方の自己決定権を尊重するものであり、その積極的な社会参加を促すことになると期待されます。
(参考)
1.成年年齢を18歳とするOECD加盟国
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国、イギリス、イスラエル、イタリア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、メキシコ、ラトビア、ルクセンブルク
2.成年年齢を18歳以外とするOECD加盟国
19歳:韓国
20歳:日本、ニュージーランド
今回の内容にご興味ある方は以下のセミナーにもご参加くださいませ。
↓
中小企業に影響のある『2022年4月改正事項』
https://forms.gle/TK1Gtc8oqHZwgRyL6