社長がやるべき事業承継の事前準備
1丁目1番地
社長が第三者承継を考えた時に、最初にするべき1丁目1番地は、「株主の整理」です。
会社は誰のものかというと、法律的には、社長ではなく株主の所有物となりますので、当然のことです。
創業が古い場合や親から引き継いだ会社の場合は、そもそも誰が株主なのか、よくわからないということもあります。
その場合は、会社の法人税申告書の別表2という書類をご確認ください。
そちらに、株主名や所有株式数なども掲載されています。
資産の整理
第三者承継を進める上で、社長が事前にやるべき事は他にもありますが、会社の決算書の内容をよく確認しておくことも重要です。
決算書にある貸借対照表では、通常、左側に「会社の資産」が記載されています。
その会社資産に、社長がプライベート的にも使っている車やパソコン、時には社宅等が計上されたママになっていないでしょうか。
もしそのまま第三者に売却することになれば、これらは全て譲り受け手の所有物になります。
第三者承継後も個人的に使いたい資産であるのならば、事前に又は第三者承継時に、売買や現物退職金支給などの方法で、会社から社長個人に移しておくのがベターでしょう。
存在していない資産はないですか?
第三者承継前に会社の資産を確認する上で是非とも見ておきたい資料は、「減価償却台帳」です。
通常決算書と一緒に綴じられていることが多いですが、もしお手元になければ会計事務所に依頼して取り寄せてください。
減価償却台帳では、資産の名称、購入年月日、購入金額、耐用年数、帳簿価額などが記載されています。
これらを確認して、現在存在していない資産が計上されたままになっていないかなどをチェックください。
譲り受け手は、決算書や減価償却台帳などに記載されていれば、それはそのまま会社に存在していると、当然に理解します。
もし経理処理ミスなどで存在していないのであれば、出来れば会計事務所に伝えて経理処理の修正をしてもらうのがベターですが、それが間に合わない時には、交渉の最初に譲り受け手に伝えておきましょう。
最初に伝えておけばトラブルになることは少ないですが、交渉がだいぶ進んで買い手の財務調査の中で見つかった場合などは、その交渉自体がブレイクとなる可能性もありますので、注意が必要です。
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1.廃業ではなく承継を決断した社長が最初にやるべき事
2.「暗黙知」を「形式知」に~後継者の立場に立って書類整理
3.資産や負債の整理~実在性や時価評価、簿外負債の事前開示
4.私的経費の整理~削減可能利益の把握は売り手社長も得する話
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