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今より本当にコストは安くなるのか?

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今のサプライヤが限界価格と言っていたのでコストは下がらないと思っていた

多くの企業がコストに注目し、コスト削減に向けた何かしらの対策をしております。
特に「通信」「光熱費」周りは多くのサプライヤ及びそれに付随する営業会社が存在しており、企業へは日々多くの営業アプローチ電話が掛かってくるため、簡単に比較検討ができます。
しかし、アプローチを受けて実際に見積依頼をしてみると、意外に安くならなかった。という経験がある方が多いのではないでしょうか。
このような経験が続くと、新規の営業電話や紹介などの窓口の対応に疲れてしまい、「営業電話は全てお断り」として窓口自体を閉じてしまって、現契約先のサプライヤのみで契約継続している企業も多くあります。
契約が長く続いていると信頼関係が生まれ、企業側もサプライヤ側へ毎年の価格交渉などもルーチンワークとして実行されている企業が多いのが実状です。一方で、サプライヤ側はその顧客企業がどのような情報を持っているか?を細かく観察をしており、その情報レベルに応じて提供価格を変化させている事例が散見されます。
実際にあった事例として、同じサプライヤで、毎年比較購買をしている大手企業に出している価格と、情報を持たない中小企業への単価が、10倍に開いたケースがありました。
だからこそ、既存サプライヤ側が限界価格と言っていたとしても、それを鵜呑みにせず、「本当は削減の余地があるのではないか?」と良い意味での疑いを持ちながら日々情報収集する事と、そのサプライヤが「メーカー」、「問屋」、「商社(大手or中小)」、「二次店」など、どの様なポジションに位置しているのかを確認することが肝要です。これにより更なるコスト削減が可能なルートが見つかる場合があります。

安いと思っていたコストが実はあまり安くなかった

担当者間では価格交渉を実施していて、サプライヤ側からも「もう安くなりません」と報告があると、もう価格は下がらない。と思われがちです。またそういった状況下では「自社のコストは最安値になっている」という自負を持たれています。
確かにそういったケースもありますが、一方で、馴れ合いになっていたり、本格的な価格交渉や比較見積もりをしていなかった。という場合がかなりの割合で散見されます。
弊社でも実際にそのような企業様へご案内させて頂くケースは多々あり、他のサプライヤで同条件で価格を出してみると「安いと思っていたコストが実は安くなかった」という実態が見え、簡単にコスト削減が進む場合があります。

以前コスト削減コンサルを入れたからもう十分だと思っていたが、更にコストが下がった

コスト削減のコンサルティングサービスは、実際にその時点では最安値の価格を手に入れられる場合がほとんどです。
しかし、コストにはトレンドがあり、昨年の最安値が今年の最安値とは限りません。
例えば電力の事例でお伝えすると、新電力の自由化がスタートをした2016年当初では、電気料金の削減率は-2~-5%が限界でした。それが2017年では-7~-10%となり、2021年現在では-20%を超える削減率も多々出ております。これには様々な要因がありますが、主にはサプライヤ側の原価構造の変化、技術のアップデート、社会・業界構造の変化、競合他社の増加などが挙げられます。
このような背景があるため、その時点では最安値であっても再度コスト削減の取組みをすると「価格が更に安くなった!」というケースがほとんどです。だからこそ、コスト削減のコンサルティングサービスを入れた後でも定期的に価格をモニタリングしていく事が重要です。
弊社でもコスト削減のコンサルティングサービスを受けた次の年に依頼を受け、更にコスト削減を実行できた実例が多数ございます。
まずは、自社の価格がいつ改定されたのか?そして次回の更新日はいつなのか?を確認し、今のサプライヤ以外の情報を収集して、複数見積もりを取得していく事からスタートしてみるのが良いでしょう。

執筆者情報

執行役員  赤名 武志

ゼネラル・パーチェス株式会社
ソリューション事業部

2019年3月より販管費のコスト削減を担当。これまでにオーダーメイド型の大企業のコストコンサルティングから高圧電力の単価削減や複合機などのオフィス機器全般のコスト削減など、大企業から中小企業まで様々な業種・業界を担当。

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多くの企業がコストに注目し、コスト削減に向けた何かしらの対策をしております。特に「通信」「光熱費」周りは多くのサプライヤ及びそれに付随する営業会社が存在しており、企業へは日々多くの営業アプローチ電話が掛かってくるため、簡単に比較検討ができます。しかし、アプローチを受けて実際に見積依頼をしてみると、意外に安くならなかった。という経験がある方が多いのではないでしょうか。このような経験が続くと、新規の営業電話や紹介などの窓口の対応に疲れてしまい、「営業電話は全てお断り」として窓口自体を閉じてしまって、現契約先のサプライヤのみで契約継続している企業も多くあります。契約が長く続いていると信頼関係が生まれ、企業側もサプライヤ側へ毎年の価格交渉などもルーチンワークとして実行されている企業が多いのが実状です。一方で、サプライヤ側はその顧客企業がどのような情報を持っているか?を細かく観察をしており、その情報レベルに応じて提供価格を変化させている事例が散見されます。実際にあった事例として、同じサプライヤで、毎年比較購買をしている大手企業に出している価格と、情報を持たない中小企業への単価が、10倍に開いたケースがありました。だからこそ、既存サプライヤ側が限界価格と言っていたとしても、それを鵜呑みにせず、「本当は削減の余地があるのではないか?」と良い意味での疑いを持ちながら日々情報収集する事と、そのサプライヤが「メーカー」、「問屋」、「商社(大手or中小)」、「二次店」など、どの様なポジションに位置しているのかを確認することが肝要です。これにより更なるコスト削減が可能なルートが見つかる場合があります。
2021.05.06 15:53:13