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役員退職金を税務否認されたらどうなるか?

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役員退職金3つのメリット

親族内承継においても、第三者承継であるM&Aにおいても、社長を中心とする「役員退職金」を効果的に支給出来ると、大きく3つのメリットが生じます。

まずは、支払う会社側では、法人税法上、多額の費用を計上することが可能です。

ただし、際限なく費用計上を認めると課税逃れの温床となりますので、一般的には、功績倍率法である一定の計算式が上限といわれています。

退職金で多額の費用計上が認められるとはいえ、退職金をもらう役員側に税金が多くかかってくるのであれば意味がありません。

しかし心配することはありません。

退職金というのは、所得税法上、多額の所得控除があること及び他の所得と分離して課税されること、さらに通常の1/2の課税という特典があるのです。

退職金を受け取る個人側は、税務上非常に優遇されているといえます。

例えば、勤続年数30年の役員が1,500万円の退職金を受け取っても、税金は全くかかりません。

ちなみにこれは、役員以外の従業員の退職金でも同様です。

また最後ですが、死亡退職金については相続税法上みなし相続財産となるのですが、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。

加えて、一定の弔慰金については相続税法上非課税となりますので、相続人に相続税がかかりません。

つまり、1.払う法人側、2.もらう役員側、更には3.相続人側と、役員退職金については3方向で税務メリットがあるのです。

税務調査で否認されたら

こんなにもメリットがある役員退職金ですが、税務調査でもし否認されたら、どうなるのでしょうか。

その痛手は、カバー可能なものなのでしょうか。
それとも、大ヤケドとなるような事態に陥ってしまうのでしょうか。

例えば、先代が会長や顧問になるような「分掌変更」によって役員退職金を支給したことに対して、税務調査で退職自体を否認された場合を考えてみます。

この場合は、まず、役員退職金を賞与とみなされて、会社の所得計算において、全額損金不算入となります。

次に、役員退職金の支給を受けた役員においては、退職所得が給与(賞与)所得となるので、所得税及び住民税が増額となります。

更には、会社の源泉徴収事務においても、退職所得でなく給与(賞与)所得となるので、源泉徴収税額が増額となり追加納税となります。

当然のことながら上記に係る「加算税」や「延滞税」も発生します。

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1.1粒で3度おいしい!役員退職金の税務的な取扱い
2.事業承継と役員退職金~新しくなった事業承継税制(2018年4月1日~)
3.役員退職金とM&Aで売手も買手もハッピー!
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執筆者情報

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マネーコンシェルジュ税理士法人/ビジネスサクセション株式会社 代表

会計事務所を経験後ソニー株式会社に勤務。その後2003年今村仁税理士事務所を開業、2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。ビジネスサクセション株式会社、代表取締役社長。税理士・宅地建物取引主任者・CFP等

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親族内承継においても、第三者承継であるM&Aにおいても、社長を中心とする「役員退職金」を効果的に支給出来ると、大きく3つのメリットが生じます。まずは、支払う会社側では、法人税法上、多額の費用を計上することが可能です。ただし、際限なく費用計上を認めると課税逃れの温床となりますので、一般的には、功績倍率法である一定の計算式が上限といわれています。退職金で多額の費用計上が認められるとはいえ、退職金をもらう役員側に税金が多くかかってくるのであれば意味がありません。しかし心配することはありません。退職金というのは、所得税法上、多額の所得控除があること及び他の所得と分離して課税されること、さらに通常の1/2の課税という特典があるのです。退職金を受け取る個人側は、税務上非常に優遇されているといえます。例えば、勤続年数30年の役員が1,500万円の退職金を受け取っても、税金は全くかかりません。ちなみにこれは、役員以外の従業員の退職金でも同様です。また最後ですが、死亡退職金については相続税法上みなし相続財産となるのですが、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。加えて、一定の弔慰金については相続税法上非課税となりますので、相続人に相続税がかかりません。つまり、1.払う法人側、2.もらう役員側、更には3.相続人側と、役員退職金については3方向で税務メリットがあるのです。
2020.09.11 16:15:30