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会計人にできること!! 30歳の若手税理士が中小企業の業務効率化の支援を目指す

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古市税理士事務所の古市裕之先生(写真)は、29歳で独立し、経営者と同じ目線に立って、真に役立つサービスの提供を目指しています。

―― 古市先生のご経歴を伺います。
古市 大学院を卒業後、会計事務所での勤務を経て29歳で独立し、平成30年12月に現在の事務所を開業しました。
―― 独立に至ったきっかけをお聞かせください。
古市 税理士としてお客様を訪問すると、経営の悩みを打ち明けられることがあります。独立する前は、経営の経験がないにもかかわらずアドバイスをせざるを得なかったのですが、そのことにずっと違和感がありました。経営者と同じ目線で経営の悩みや不安に向き合い、本当に役立つアドバイスができるようになりたいと思ったことが独立のきっかけです。
―― 29歳という若い年齢での開業で、不安はありませんでしたか。
古市 もちろんありました。しかし、父が行政書士、母が社会保険労務士として開業していますので、独立については他の人より身近に感じられていたかもしれません。不安よりも、自ら提供できるサービスの質を上げるためには独立しなければならないという気持ちのほうが強かったです。
―― 現在、事務所で力を入れていることをお聞かせください。
古市 お客様の業務効率化に力を入れています。中小企業は、経理も税務も、一度流れをつくってしまえば、想像以上に簡単で手間なく処理が進んでいくというところがありますので、その流れをつくるためのサポートを中心に行っています。簡単な作業であれば、私がエクセルでマクロを組んで解決することもありますし、業務効率化のためのシステムの導入支援を行うこともあります。最近は勤怠管理や経費精算など、さまざまなシステムがありますので、このお客様にはどのシステムを導入したらより効率化できるかを考えて、お客様に合ったものを提案しています。
―― 新型コロナウイルス感染症の影響はいかがでしょうか。
古市 顧問先の業種は、飲食業、小売業や建設業などバラバラですが、ほとんどの業種で売上が減少し、資金繰りに影響が出ています。試算表の数字から申し込みができそうな融資や給付金などのご案内をしたり、申請のサポートをしたりしています。
―― アフターコロナについてお考えがあればお聞かせください。
古市 オンライン会議ができるシステムなどが浸透したことで、リモートワークという働き方がますます進化すると思います。経理を含めてさまざまな分野で導入できる可能性がありますので、お客様の業務効率化につなげられるよう情報を収集して提案していきたいと思っています。課題もありますが、当事務所にも導入していきたいですね。
―― リモートワークで先生が考える課題とは何でしょうか。
古市 リモートワークでは、仕事の過程ではなく成果が評価されます。まず、この考え方を従業員に定着させなければなりません。成果を基にした給与を支払うことで、お客様から頂いた報酬をよりダイレクトに感じられ、各従業員がより良いサービスを提供できる地盤ができてくるのではないかと考えています。その一方で、「成果とは何か」を定義するのは非常に難しい問題となりますので、その点は社労士の母などとも相談しながら設計を進めています。
―― 今後の事務所のビジョンを教えてください。
古市 サービスの質を大切にしたいので、顧問先や従業員の数は、緩やかに増やしていきたいと思っています。税理士事務所の業務は属人的ですから、一人ひとりのサービスの質が高くなければお客様の信頼は得られません。私が独立した理由の根本ですので特に大事にしていきたいと考えております。この点がクリアできれば、小規模な事務所であっても大手に引けを取らないサービスが提供できると考えています。
 近々知人の税理士が加わる予定なので、しばらくは2人体制で少しずつ事務所を大きくし、いずれは法人化することを目標にしています。
―― 本日は貴重なお話を聞かせいただきありがとうございました。

古市裕之(ふるいち・ひろゆき)
古市税理士事務所・代表税理士。1989年生まれ。茨城県出身。大学院を卒業後、会計事務所での勤務を経験。平成30年12月に税理士事務所を開業。
古市税理士事務所
〒171-0031 東京都豊島区目白3-5-15 目白ビル406号室 電話:03-5927-8100

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株式会社実務経営サービスは、会計事務所の成長や発展をご支援している会社です。税理士の先生方を対象とする勉強会「実務経営研究会」の運営、各種セミナー・カンファレンスの企画、会計事務所経営専門誌「月刊実務経営ニュース」の発行を事業の柱としています。おかげさまで2018年に、創業20周年を迎えることができました。

「月刊実務経営ニュース」は、成長の著しい会計事務所、優れた顧問先支援を実践している税理士を取材・紹介し、会計業界の発展に貢献することを目指しています。おもな読者は全国の会計事務所の所長や職員の皆様で、全国に約3万件あるといわれている会計事務所の約1割にご購読いただいています。最新号を無償で読むことができる「Web版実務経営ニュース」もありますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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古市税理士事務所の古市裕之先生(写真)は、29歳で独立し、経営者と同じ目線に立って、真に役立つサービスの提供を目指しています。―― 古市先生のご経歴を伺います。古市 大学院を卒業後、会計事務所での勤務を経て29歳で独立し、平成30年12月に現在の事務所を開業しました。―― 独立に至ったきっかけをお聞かせください。古市 税理士としてお客様を訪問すると、経営の悩みを打ち明けられることがあります。独立する前は、経営の経験がないにもかかわらずアドバイスをせざるを得なかったのですが、そのことにずっと違和感がありました。経営者と同じ目線で経営の悩みや不安に向き合い、本当に役立つアドバイスができるようになりたいと思ったことが独立のきっかけです。―― 29歳という若い年齢での開業で、不安はありませんでしたか。古市 もちろんありました。しかし、父が行政書士、母が社会保険労務士として開業していますので、独立については他の人より身近に感じられていたかもしれません。不安よりも、自ら提供できるサービスの質を上げるためには独立しなければならないという気持ちのほうが強かったです。―― 現在、事務所で力を入れていることをお聞かせください。古市 お客様の業務効率化に力を入れています。中小企業は、経理も税務も、一度流れをつくってしまえば、想像以上に簡単で手間なく処理が進んでいくというところがありますので、その流れをつくるためのサポートを中心に行っています。簡単な作業であれば、私がエクセルでマクロを組んで解決することもありますし、業務効率化のためのシステムの導入支援を行うこともあります。最近は勤怠管理や経費精算など、さまざまなシステムがありますので、このお客様にはどのシステムを導入したらより効率化できるかを考えて、お客様に合ったものを提案しています。―― 新型コロナウイルス感染症の影響はいかがでしょうか。古市 顧問先の業種は、飲食業、小売業や建設業などバラバラですが、ほとんどの業種で売上が減少し、資金繰りに影響が出ています。試算表の数字から申し込みができそうな融資や給付金などのご案内をしたり、申請のサポートをしたりしています。―― アフターコロナについてお考えがあればお聞かせください。古市 オンライン会議ができるシステムなどが浸透したことで、リモートワークという働き方がますます進化すると思います。経理を含めてさまざまな分野で導入できる可能性がありますので、お客様の業務効率化につなげられるよう情報を収集して提案していきたいと思っています。課題もありますが、当事務所にも導入していきたいですね。―― リモートワークで先生が考える課題とは何でしょうか。古市 リモートワークでは、仕事の過程ではなく成果が評価されます。まず、この考え方を従業員に定着させなければなりません。成果を基にした給与を支払うことで、お客様から頂いた報酬をよりダイレクトに感じられ、各従業員がより良いサービスを提供できる地盤ができてくるのではないかと考えています。その一方で、「成果とは何か」を定義するのは非常に難しい問題となりますので、その点は社労士の母などとも相談しながら設計を進めています。―― 今後の事務所のビジョンを教えてください。古市 サービスの質を大切にしたいので、顧問先や従業員の数は、緩やかに増やしていきたいと思っています。税理士事務所の業務は属人的ですから、一人ひとりのサービスの質が高くなければお客様の信頼は得られません。私が独立した理由の根本ですので特に大事にしていきたいと考えております。この点がクリアできれば、小規模な事務所であっても大手に引けを取らないサービスが提供できると考えています。 近々知人の税理士が加わる予定なので、しばらくは2人体制で少しずつ事務所を大きくし、いずれは法人化することを目標にしています。―― 本日は貴重なお話を聞かせいただきありがとうございました。古市裕之(ふるいち・ひろゆき)古市税理士事務所・代表税理士。1989年生まれ。茨城県出身。大学院を卒業後、会計事務所での勤務を経験。平成30年12月に税理士事務所を開業。古市税理士事務所〒171-0031 東京都豊島区目白3-5-15 目白ビル406号室 電話:03-5927-8100
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