固定資産税の納付書が届きました
固定資産税の納税通知書が届いた
あゆみ:この間、固定資産税の納税通知書が届いたわ。
ケン:その納税通知書には(償却資産)と記載がありましたか?
あゆみ:よく見てないけど、たしか()書きで何か書いてあった気がする。
ケン:償却資産の納税通知書ですね。
今年の1月に償却資産申告書を提出しました。それにより、償却資産に課税されてこの納税通知書が届いているということになります。
あゆみ:ここのお店は家賃払ってて、まだ自前ではないけど固定資産税がかかるの?
ケン:たしかに固定資産税は土地や家屋を所有している所有者にかかりますが、もう一つ償却資産にもかかります。
償却資産とは
・土地、家屋、一部の車両以外で事業の用に供することができる資産
・法人税や所得税を計算する際、減価償却費として必要経費に算入するもの
・使用可能期間が1年未満または20万円未満であっても個別に減価償却しているもの
・中小企業者等の少額(30万円未満)資産の損金算入の特例適用資産
などを言います。
したがって、あゆみ社長の会社には店舗の内装工事や備品を毎年1月に償却資産として申告しますが、その償却資産に対し固定資産税がかかっているということです。
あゆみ;じゃ、お店を自前にしたら固定資産税がさらにかかるってことね。
ケン:お店を自前にすると内装工事も含めて家屋として固定資産税がかかります。
償却資産は減るかもしれしれませんが、土地・家屋の評価額が現在の償却資産の評価額よりも大きくなれば固定資産税額は増加することになります。
あゆみ:固定資産税は不動産と償却資産と両方にかかるってことね。
不動産の固定資産税
あゆみ:「固定資産税は高い」と親が言っていたけど、どのくらいするものなの?
ケン: 土地と家屋についてはともに評価額を算出します。その評価額から減額できるものは減額し課税標準額を算出しますが、その課税標準額の1.4%相当が固定資産税です。土地、家屋については所在する場所によっては都市計画税がさらに0.3%かかる場合があります。
土地の評価額が5,000万円だとすると住宅用地の場合の土地の固定資産税額は14万円前後(都市計画税込み)、新築ではない家屋の評価額が1,000万円だとすると、固定資産税は8万円超程(都市計画税込み)になります。
あゆみ:その課税標準額ってどうやって計算するの?
ケン: これは一言で説明するのは難しいですね。
土地の場合は、道路に固定資産税用の路線価が付されています。その路線価を元に土地の奥行や形状、利用上の制限などを考慮し単位当たりの価額を求め、その価額に地積を乗じます。また、経済状況等により土地の価格が上昇している場合にはその負担を軽減する措置が取られています。
家屋については、総務大臣の定める単位当たりの再建築費評点に経過年数に応ずる補正率、床面積、評点一点当たりの価額を乗じて計算します。
あゆみ:固定資産税が安くなるってことはないの?
ケン:土地については、200㎡までの小規模住宅用地の固定資産税の課税標準額が1/6、都市計画税の課税標準額は1/3になります。
家屋については、新築の場合、新築後の数年間は固定資産税額が1/2に減額されます。
先程の税額は土地のみ減額されたものです。更地や、事業用の土地はもっと高くなります。
あゆみ:更地の土地の固定資産税は高いというのはこのことなのね。だから空き家のままにしておくのね。
これって1回税額が決まるとずっと同じ金額なの?
ケン:土地と家屋については3年に1回評価替えがあります。
償却資産については、毎年申告書を提出しますので、毎年税額は変わります。
償却資産税の固定資産税
あゆみ:今回の納付書に書いてある固定資産税も結構高いわよね。
ケン:償却資産は耐用年数に応じた減価率に基づき算出した残価を課税標準とします。
税率は1.4%です。
意外と高いと感じるかもしれませんね。
固定資産税はいつどこに納める?
あゆみ: そもそも固定資産税ってどこに納めるものなの?
ケン: 東京23区は東京都に納めますが、それ以外市町村はその各市町村に納めます。
あゆみ:いつ納めるもの?
ケン:通常年4回に分けて納付しますが、納期限は各市町村によって異なります。
例えば東京23区では6月末(第1期)、9月末(第2期)12月末(第3期)2月末(第4期)となっていますが、横浜市は4月(第1期)、7月末(第2期)、12月末(第3期)、2月末(第4期)となっています。
あゆみ:年の途中で不動産を売却したらどうなるの?
ケン:年の中途で不動産を売却しても固定資産税は1年分納めることになります。
したがって、売買価額で調整することが通例となっています。
あゆみ:そうなのね。固定資産税も納めるとなると何かしら税金を毎月納めている感じよね。
ケン:みなさんそう仰います。税金は相互扶助の役割も果たしますので、そういう社会に皆さんでしていきましょう。