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【起業の失敗あるある】商品・サービスの設計

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商品・サービスは3つの要素でできている

起業して提供する商品・サービスをどんなものにするか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
どんなビジネスモデルも
1 誰に
2 何を
3 どのように提供するか
の3つの組み合わせで成り立っています。
それぞれが深い意味を持ち、選択次第で成功か失敗かを分けます。

この3つの要素をそれぞれ突き詰めて考えましょう。そして、常に改良しながら試して一緒に成功を掴みましょう。

誰に

まずは、自社の商品・サービスは誰に向けたものなのか、ターゲットを絞り込んだか確認しましょう。例えば、スケジュール共有アプリであれば、こんな感じで想定します。

◎メインターゲット
・30代~40代の子育て世代の夫婦
・平日はお互いに仕事が忙しく一緒に過ごせる時間が少ない
・各自スマホを持ち、各種アプリを使いこなしている
・現状、お互いのスケジュールを知らせるときはメールかLINEをしている

○サブターゲット
・20代~40代の趣味の集まり(サークル等)
・各自スマホを持ち、各種アプリを使いこなしている
・現状、メンバーにスケジュールを知らせるときはグループにLINEをしている

このように、自社の商品・サービスを使う人をより具体的にイメージすることを「ペルソナ設定」といいます。ペルソナ設定をしておけば、Webサイトを作るときにも、コピーライティングや色合いやイメージをターゲットに刺さるものに合わせることができます。

一方で、わざわざお客様を絞ってしまったら、売上が減るのではないかという不安を抱える方もいます。ただ、それだとエッジの効いていないもやっとした商品・サービス設計になり、失敗の元になるパターンが多いのです。これを機に、自社のペルソナ設定を明確化してみましょう。すべての経営要素をそれに合わせる形をとれば、よくなるはずです。

何を

昔から、世の中のビジネスを類型化すると、必ず、以下の7つに当てはまるといわれています。

①仕入れて売る
②作って売る
③貸す
④代行する
⑤教える
⑥施す
⑦もてなす

あるビジネスモデルが思い浮かんだら、他の類型も同時に行うということを考えてみてもいいでしょう。例えば、
・①仕入れて売ることもしつつ③貸す
・⑤教えることもしつつ④代行する
などです。

さらには最初のうちは資金がないため④代行するけれど、資金ができたら①仕入れて売るなど、時間軸を加えて考えることもできます。

これを機に、幅を拡げて考えてみてください。

次にあなたがお客様に提供する商品・サービスの本質は何でしょうか?突き詰めると何を提供しているのでしょうか?

例えば、アパレルのセレクトショップ。提供しているのは、おしゃれな服を選んで並べるという「センス」やあちこちで探して見て回る必要がないという便利さなのではないでしょうか。

このように、具体的な商品・サービスよりも、もう少し外側まで拡げて考え、お客様に何を提供するかを「提供価値」といいます。これを機に、自社の提供価値を突き詰めてみましょう。

どのように提供するか

どのように集客をしてどういう手段で売るのでしょうか?具体的に書き出してみましょう。

・ネットで?店舗で?
・ネットだったらどこで?
自社サイト?どこかのポータルサイト?
・店舗だったらどこで?
 エリアは?駅は?物件は?
・集客手段や増やす手段は?
ホームページ?ポータルサイト?SEO?リスティング広告?口コミ・紹介?代理店制度?手撒きチラシ?ポスティング?フリーペーパー etc.
・ターゲット客層との相性は?
集客の施策はターゲット客層とどんな風に相性がいい?
・どのタイミングから実施する?
集客の施策はいつから実施する?いつまで?
・その頻度は?
随時?月に何回?週に何回?
・効果はいつから?
集客の効果が表れるのはいつから?
・誰が担当する?
ホームページは誰が作る?チラシは誰が撒く?
・コストは?予算は?
そのコストは?予算は月いくらまで?
・複数の集客チャンネルをどのように組み合わせる?
効果的な集客チャンネルの組み合わせは?なるべく多くの集客チャンネルを維持するには?効果が出なかったら、どの時点であきらめる?
・どんなイメージで?
どんなイメージを打ち出すのか?
・どんなキーワードを設定する?
SEOやリスティング広告で重視するキーワードは?
そのキーワードはあいている?効果的?
など。こういったことをより具体的に考えてみましょう。

失敗せず、成功するには?

誰に、何を、どのように提供するか、3つの要素について見てきました。
失敗パターンの多くは、これらを深く考えずに突き進むことから生まれます。逆に成功するためには、これら3つの要素について仮説と検証を拘束で繰り返すことが重要です。組み合わせが多ければ多いほど、成功する確率が高まるともいえるでしょう。これを機に、ぜひ、考えてみてください。

【起業の失敗あるある】営業・マーケティング に続く

執筆者情報

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代表者 中野 裕哲

起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士・社労士・行政書士法人V-Spirits

起業コンサルタント®、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士、宅地建物取引主任者

起業コンサルV-Spiritsグループ代表。ドリームゲート起業面談相談9年連続日本一。
多数の起業本、起業のWeb記事も執筆・監修する人気アドバイザー。
「まるごと起業支援(R)」で、あちこち相談せずとも、起業の疑問も不安も一度で解消。
著書「失敗しない起業 55の法則」「マンガでやさしくわかる起業」「図解 知識ゼロからはじめる起業の本」など。

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2020.06.03 09:10:24