新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の影響がすごいんだけど・・・。
あゆみ:新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しだしてから、売上がなかなか上がらないんだけど。
ケン:こればっかりは、終息してくれないとどうにもなりませんね。
あゆみ:国の方でいろいろ方策を練っているというけど、具体的には?
ケン:国の方では、
①1兆6千億円規模の資金繰り支援
②ものづくり補助金やIT導入補助金
③相談窓口の設置等で経営を下支え
の3つの柱を元に支援をします。
資金繰り支援
あゆみ:資金繰り支援って具体的にはどのようなもの?
ケン:セーフティネット保証として今回の新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが減少している場合に、一般保証とは別枠で最大2億8千万円まで信用保証してくれます。
また、最初の3年間は利息が0.9%引き下がります。
さらに、危機関連保証としてセーフティネット保証とは別枠で最大2億8千万まで保証してくれます。
あゆみ:つまり、資金を有利な条件で貸し付けてくれるってことね?
ケン:その通りです。
あゆみ:その貸付けの要件は?
ケン:セーフティネット保証枠の要件は、売上高が前年同月比で5%以上減少していることが要件です。その場合には借入債務の80%が保証され、同様に20%以上減少している場合には100%保証されます。これはすべての地域、ほとんどの業種が対象となっています。
危機関連保証枠については、中小企業、小規模事業者のうち売上高が前年同月比で15%以上減少していることが要件です。こちらも全国、ほとんどの業種が対象となっています。
あゆみ:融資を申し込む場合は銀行に行けばいいの?
ケン:制度融資ですので、まず本店の所在地の市区町村に認定申請を行います。認定を受けたら希望の金融機関や保証協会に認定書を持参の上、融資を申し込みます。
あゆみ:融資の利息が0.9%引き下がるものの要件は?
ケン:最近1ヶ月の売上が前年または前々年と比較して5%以上減少した方が対象です。しかし、あゆみ社長のところは業歴が1年1ヶ月未満ですから、最近1ヶ月の売上は次の売上と比較します。
・過去3か月の平均売上
・令和元年12月の売上
・令和元年10月から12月の平均売上
この3つのどれかに当てはまれば利息が0.9%引き下がります。
ものづくり補助金
あゆみ:補助金の方は?
ケン:設備投資をした中小企業は1/2、小規模事業者は2/3の割合で1,000万円を上限として補助金を受けることができます。
あゆみ:どんな設備投資でもいいの?
ケン: いえ、サプライチェーンの一部が毀損されていることが要件です。
IT導入補助金
あゆみ:IT導入の補助金って何を導入したら補助金を受け取ることができるの
ケン:例えば、在宅勤務制度の導入にあたり、テレワークが可能となるようにシステムを導入する、などが考えられます。
その場合、中小企業、小規模事業者に対し、30万円から450万円を上限に、1/2の割合で補助金が支給されます。
このIT補助金は今後3カ月に1回の割合で締切が設けられています。
相談窓口の設置
あゆみ:相談窓口が設置されたっていうけど、どういう相談をすればいいの?
ケン:今回の措置では、
・下請け業者を圧迫しない
・納期や支払等への一層の配慮
の2つについて、業界団体を通じ政府から「配慮を要請」されているものです。
あゆみ:「配慮を要請」とは?
ケン: [下請け業者を圧迫しない]については、通常支払われる対価より低い下請け価格の設定をしないことや、できる限り従来の取引関係を継続すること等が要請されています。
また、[納期や支払等への一層の配慮]については、納期に関して柔軟な対応を行うことや、迅速な支払に努めること等が要請されています。もし、こういったことで圧力を受けるようなことがあれば「下請けかけこみ寺」などの相談窓口に相談することができます。
雇用調整助成金の特例措置など
あゆみ: 他には何かありますか?
ケン:雇用調整助成金の特例措置が設けられています。これは、事業の縮小を余儀なくされた事業主が従業員の雇用維持を図った場合に、休業手当や賃金等の一部を助成するものです。
また、今回小学校が休校になりましたが、その子供の世話のために有給休暇を取得させた企業に助成する措置が設けられました。休暇を取った個人にも1日あたり4,100円が支給されます。
さらに、社会保険料、国税、地方税の納税が猶予される措置が設けられています。
あゆみ:今の時期、ものすごく大変なだけに、これらの措置を有効に受けたいわね。
ケン:いろいろありますので、適切に受けてください。