月額変更届って何?
月額変更届って何?
あゆみ:今月から従業員のお給料を上げたけど、何か手続きある?
ケン:すぐではないですが、改定後3か月経過した後に最寄りの年金事務所若しくは日本年金機構の広域事務センターに「月額変更届」を提出します。
あゆみ:月額変更届って何?
ケン:昨年7月に年金事務所に「算定基礎届」という書類を提出したのを覚えていらっしゃいますか?
あゆみ:覚えてるわ。
ケン:社会保険料は、その方の給与に応じた標準報酬月額により算定します。給与の変更がなければ、「算定基礎届」による毎年1回の定時決定でその従業員の方の標準報酬月額、つまり社会保険料が決定します。
しかし、昇給などで固定給が変動した時はその定時決定を待たずにその方の社会保険料の見直しを行うことになっています。
このときに提出する届出書を「月額変更届」といいます。
月額変更届の手続き
あゆみ:じゃ、その「月額変更届」は給与改定があった時に提出するの?
ケン: いえ、その時ではありません。
提出要件は
①給与改定により固定給などに変動があった
②その改定月から3か月間に支給された給与の平均額に該当する標準報酬月額がこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた
③3か月とも勤務日数が17日以上
の3つすべてを満たした場合です。
算定基礎届のときもそうでしたが、給与には住宅手当や役付手当、残業代なども含まれます。
あゆみ:ってことは等級の差が1等級しかないっていう場合は「月額変更届」の提出は必要ないってこと?
ケン:その通りです。
また、給与が改定され2等級以上の差があっても「月額変更届」を提出しなくてもいい場合もあります。
①昇給したが、残業代などの変動賃金が減少したため、以前よりも2等級以上、下がった場合
②降給したが、残業代などの変動賃金が増加したため、以前よりも2等級以上、上がった場合
の2つの場合です。
あゆみ:わかったわ。「算定基礎届」は7月に提出するじゃない?「月額変更届」を提出してもまた7月には「算定基礎届」を提出するの?
ケン:はい、提出しなければなりません。
月額変更届の記載事項
あゆみ:「月額変更届」には何を記載するの?
ケン:ほとんど算定基礎届と同じです。
現在の標準報酬月額を記載し、給与が改定された各人ごとに給与改定月から3か月間のお給料の総額を記載します。その際、その月の日数については役員の方はその月の日数を、従業員の方はその月の出勤日数を記載します。
お給料は通貨で支払ったものと現物で支払ったものとを分けて記載し合計します。
給与改定月とそれから4カ月目の年月も記入します。
月額変更届の記載事項
あゆみ:何か気を付けることはある?
ケン:そうですね。3点ほどお話します。
①標準報酬月額の上限と下限に関係する等級変更の場合は、2等級以上の差がなくても「月額変更届」の提出が必要です。
②昇給が遡及された場合には、その差額を支払った月が給与の改定月として2等級以上の差が生じるかどうかを判定します。
③パートなどの短時間労働者の方についても、先ほど申し上げた勤務日数が17日以上あることが提出の要件となります。
あゆみ:何かと手続きが必要なのね。しょうがないけどやるしかないわね。
ケン:お手数ですが、お手続きの程お願いいたします。