資金繰りって何をするの?
資金繰りとは?
ケン:前回、お店を自前にし、その資金は融資を元手にするというお話がありました。そこでこれからは資金繰りを見直さないといけません。
あゆみ:経営者になると資金繰りは大事とは良く聞くわ。だけどまだ資金繰りって何かを十分に分かってないの。
ケン:資金繰りとは一言で言うと、「会社のこれからの現預金の収支を管理すること」です。例えば2ヶ月後の支出が3,000万円あるのに、そのときの収入と残高を合わせても2,800万円しかないとすると、200万円の支払をどうするか考えなければなりませんが、資金繰りの管理をしていれば早め早めの対応ができるかもしれません。
あゆみ:なるほど、将来の支出がそのときの残高と収入で賄えますか?ということを分かっておけってことね。
ケン:その通りです。
資金繰りは「資金繰り表」を作成
ケン:この資金繰りでいうところの「資金残高」と「利益」は違いますから毎月ご覧になっている合計残高試算表では将来の資金繰りは分かりません。「資金繰り表」を作成して管理することになります。
あゆみ:「資金残高」と「利益」はどこが違うの?
ケン:「利益」は「収益」から「費用」を差し引いたものですが、「資金残高」は「前月残高」に「当月の収入」を加算して「当月の支出」を差し引いたものです。ですから「収益」と「収入」は掛売りなどを行っている場合は相違が生じ、「費用」と「支出」も掛払いを行っている場合は違いますからおのずと「利益」と「資金残高」は違うということになります。イメージは合計残高試算表の現預金の残高がイコール「利益」ではないといったところでしょうか。
あゆみ:前に経営者の研修があって、その中で「キャッシュフローを把握しましょう」って言ってたわ。それとは違うの?
ケン:キャッシュフローは過去の現預金の流れの実績を表すものです。従ってキャッシュフローだけでは将来の支出が賄えるかまでは分かりません。
あゆみ:分かったわ。それで「資金繰り表」はどうやって作ればいいの?
ケン:特に決まりはありませんが、通常、経常収支と財務収支に分けて作成します。財務収支には設備投資の分も含めると煩雑にならずにわかりやすいでしょう。経常収支にはその月の本業での営業収支と借入金の利息の支払などを記載します。借入金の返済や定期預金等への預け入れ、解約等は財務収支に記載します。作成のポイントは当月の繰越金額が合計残高試算表の定期預金や定期積金を含めない現預金の残高と一致するということです。
あゆみ:もっと楽にできる方法はないの?
ケン:会計ソフトで資金繰り表を集計する機能があります。最初の設定が面倒ですが、設定さえしてしまえば自動で計算してくれます。
無駄な支出をしない
あゆみ:今回、このような話をしてくれたのは私がお店を融資で購入するって言ったからなんでしょ?
ケン:はい、その通りです。前回は申し上げませんでしたが、
①賃貸ではダメなのか?
②自前店舗は業績に貢献するのか?
を熟慮する必要があります。また、経費についても無駄を省いていかないと資金繰りが悪くなりますので、ご注意ください。
あゆみ:わかったわ。もう一度考えてみる。